7回表。この回で点が取れなければ、私達が試合に負けてしまう……。私達は円陣を組んで気合いを入れる。
「……まだまだ諦めるのは早い。最後まで足掻いて、勝利を目指すぞ!」
『おおっ!!』
この回は1番からだけど……。
「な、なんか作戦とかあるのか?」
「一ノ瀬さんの時みたいに相手バッテリーの配球を読んだりとか……?」
「朱里ちゃん、どうかな?」
さ、最終回に取る作戦にしては博打色が強過ぎる……。確かに必要になるかもとは思って少し考えているけど、ゴウさんの投げるストレートと、高速スライダーの見極めがまだ不完全なんだよね……。あと何故私に聞くのか。
「……とりあえず私の推測で良いなら、ある程度は把握が出来ます」
「本当にっ!?」
うわっ!芳乃さん滅茶苦茶嬉しそう……。それにしてもこの試合は配球の読み合いが多い気がするよ。
「遂に最終回か~。新越谷が負けたままだけど、ここから逆転出来るかな?」
「かなり厳しそうだよね……。あのゴウって投手のストレートと、高速スライダーが同速だから、打ち辛いと思うし」
「幸いこの回は打順が1番からですので、3人で終わらない限りはまだ新越谷にも突破口があるでしょう」
「でも実際アタシ達も他人事じゃなくなるよね?全国大会と県対抗総力戦の事を考えると……」
「そうですね。埼玉県大会は激戦区の1つですから、少なくとも新越谷高校と、親切高校の2校の選手データは把握しておいた方が良さそうです」
「私達の場合は新越谷の試合がある日に、瑞希ちゃんに連れてってもらってるから、こうして試合データがわかるもんね……」
「そう考えると瑞希に感謝しなきゃだね。ありがとっ☆」
「別に例を言われるような事はしていませんが……。まぁ元々は私と和奈さんで朱里さんのいる高校が試合をする時に観戦に行く……という話を和奈さんとチャットで話していたのを……」
「途中でアタシも行きたいってなったんだっけ?新越谷と練習試合をしてからは朱里の成長はもちろん、新越谷の成長が段々と楽しみになってきたんだよね。だから逐一確認したくなっちゃったんだよ♪」
「そこから新越谷の試合がある日で、私達の試合が被ってない日は瑞希ちゃんに連絡して、こうして足を運ぶようになったんだよね。もうすっかり定期を買うくらいには……」
「アタシも買ったよ。東東京から埼玉への定期券!それに元々埼玉は地元だし、新越谷の試合の件がなくても、休日なんかは来ちゃうんだよね~☆」
「そ、そうなんだ……」
「……そろそろ最終回の攻撃が始まりますよ」
「おっとっと……。ここからは熱い勝負が繰り広げられそうだし、集中して観よっか☆」
「そうだね……」
「無論、そのつもりでいますよ」
ズバンッ!
『ストライク!』
中村さんからの打順だけど、ゴウさんの投げるストレートと、高速スライダーに苦戦している……。中村さんはミート力があるから、確実に繋いでほしいところだけど……。
カンッ!
『ファール!』
(そう簡単にはいかないって事だね……)
中村さん、藤田さん、主将……。この3人の内の1人が塁に出れば雷轟に回るから、希望が生まれるんだけどね……。
カンッ!
「よし!打った!!」
中村さんが打った打球は三塁線へ……。
「はぁ……。極力動きたくないから、余り打ってこないでよね」
痛烈なゴロはサードにいる一ノ瀬さんによって阻まれる。
『アウト!』
「ああっ!?」
これでワンアウト。不味い展開になってきたな……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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