『アウト!チェンジ!!』
9回表で私達は逆転に成功した……。あとは裏の回を抑えるだけだね。
「最後のイニング……。リードを維持したまま、抑え切るぞ!」
『おおっ!!』
主将の掛け声で選手全員が気合いを入れて、守備に臨む。一ノ瀬さんは代打に出したので、次の投手を投入。投げるのは……。
「はづき殿、頑張るでござるよーっ!」
「了解了解!新生橘はづきちゃんの実力を見せる時が来たね♪」
橘だ。奇しくも一ノ瀬さんから橘の、元川越シニアの先輩から後輩へとバトンが渡った……。
「橘さん、配球の確認をしよう」
「OK!まぁ蓮華ちゃんとはキャンプ期間でそれなりに練習したし、羽矢先輩のぐにゃぐにゃ球が捕れるなら、私の決め球もきっと捕れるよ」
橘と志木さんの配球確認が終わり、いよいよ9回裏が始まる……。
『ピッチャーは一ノ瀬選手から、橘選手へと交代!橘選手の持ち味であるスクリューボールが火を吹くのか!?』
『橘選手は埼玉の名門、梁幽館高校で1年生からレギュラーを獲得していますし、実力はかなりのものですね。高知選抜の強力打線を抑える事が出来るのか……注目です』
高知選抜の打順は1番から……。3番の沖田で終われるかどうかで、また変わってきそうだ。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
『す、凄い!あっという間に二者連続三振!ツーアウトです!』
『スクリューも、他の変化球も、そしてストレートもかなり走っていますね。これ等の球を打つのは至難の技です』
凄いな……。前に試合した時よりもずっと強くなってるよ。どの球も前の比じゃない。
『さぁ、追い込まれた高知選抜!3番の沖田選手が打席に入ります!!』
「久し振りですねぇ。はづき先輩?」
「総司ちゃんは相変わらず元気そうだね。今日の試合は凄かったよ。私も総司ちゃんの先輩として、総司ちゃんに負けない野球をする事にするよ」
心なしか、橘と沖田が睨み合っている気がする……。この2人は性格的にも、キャラ的にも似ている部分があるんだよね。悪く言えばキャラが被っている。
ズバンッ!
『ストライク!』
(うへぇ。シニア時代とはマジで比べ物にならないじゃないですか……)
(ふふん。名門と言われた高校でみっちりと扱かれたからね。その成果が如実に出てるんだよ!)
沖田に対してもツーナッシングに追い込む。あと1球だ……。
「これで終わりだよ……総司ちゃん!」
橘が止めと言わんばかりの1球を投げる。あれ?ストレートなんだ?てっきりスクリューで終わらせると思ってたのに……。
(ストレート……!)
「まだ……まだ終わらせる訳にはいかないんですよっ!」
カキーン!!
「なっ!?」
ストレートを捉えた沖田の打球はフェンスに直撃。ツーベースとなった。
(橘さんが投げた最後のストレートは悪くなかった……。それどころかこれまでで最高のストレートだったのに、こうもあっさりと……。これが天下無双の執念といったところでしょうか?)
ツーアウト二塁。最悪な状況で最悪の打者に回ってくる……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
-
見たい
-
見たくない