「いやー、和奈惜しかったね~」
「……松岡さんの力を込めた1球があのアウトを生み出しましたね。次の打席以降がどうなるかはわかりませんが、あの1球以外では間違いなく和奈さんがホームランを打っていたでしょう」
「今の和奈は大体の球をホームランに出来るからね~」
「そんな和奈さんが捉え切れない投手は現状風薙さんくらい……でしょうか」
「あー、あの人凄い球投げるよね。全国大会で唯一の防御率0だしね……」
「未だに二塁ベースを踏ませていない快投でありながらも、未だにストレートしか投げていませんからね。しかも質の悪い事に新井さんとは違って、他の球種を温存した状態で臨んでいます」
「お、恐ろしい……。でも京都選抜は優勝候補って言われてるんだよね?」
「そうですね。和奈さんに加えて非道さんが風薙さんの投げる球を打てる可能性が高い選手である事に加え、シルエスカ姉妹はかつて風薙さんと同じチームにいた事もありますし、その辺り攻略の鍵になると思います。打線全体もかなり強力ですしね」
「最早京都選抜っていうか洛山だよね……。じゃあ埼玉選抜は?」
「埼玉選抜が群馬選抜に、風薙さんに届きうるかどうかは……この試合でわかるでしょう」
「惜しかったわね和奈。もう少しでホームランだったのに……」
「ちょっと詰まらされちゃった……。凄い球を投げるよ。あの投手」
「あの和奈さんがそう言うなんて、余程ですね……」
「まぁまぁ。まだ試合は始まったばかりだし、ゆっくりとやっていこ~」
「……そうですね。頑張ります!」
「うんうん♪それで今日の先発投手は黛ちゃんだけど~?」
「は、はい。ようやく昨日、完成形に辿り着きました……」
「それは僥倖~。少なくとも1打席は抑えられると思うし、その間でこっちのペースに持っていくよ~」
「黛さんが言ってた球ってあれ……ですよね?そんな簡単には打たれないんじゃ……?」
「本来ならプロ選手でもバンバン抑えられると思うけど、埼玉選抜の打線は侮れないからね~。対応力はもちろん、アドリブにも強い選手が多いし、鉄壁の守備で得点も今までのようにはいかないし~」
「出来るだけ……抑えてみせます」
「良い心意気だ~」
1回表はなんとか無得点に抑えられたけど、あとのイニングも同様に抑えられるかわからないし、出来るだけ早い段階で点を取っていきたい……。
「向こうの先発投手は黛さん……。あの分身魔球が見られるかな!?」
「どうだろうね。打つのはかなり難しそうだけど……」
なんせカーブ方向かシュート方向にランダムで変化していくもんだから、狙いが絞り辛い。捕手の非道さんはミットを2つ装着してるから、余計に狙いが定まらない……。
(中村さんにはなるべく黛さんの球を見ていってほしいところだね……)
(いきなり投げる~?)
(そう、ですね。埼玉選抜の打線は強力ですから、全球投げるつもりで……!)
1球目。球がブレているのを見ると、例の魔球なんだろうけど……。
「……えっ!?」
ズバンッ!
『ストライク!』
「い、今の球は……」
「東東京選抜との試合で投げた球とは全くの別次元だね……」
黛さんが投げたのは、東東京選抜との試合で投げた球……とは段違いの代物。前までの球はカーブ方向かシュート方向の2種からランダムに変化するものだったけど……。
「な、何あれ……」
「カーブとシュートの二重変化……!」
「ほ、本物の魔球じゃないですか……」
「まぁ実体は1つだと思うけど、これは中々に厄介な球だね」
大宮さんは黛さんの投げる球の実体は1つだと言っている……。大きなヒントではあるんだけど、問題はどうやって狙いを絞るかだよね。攻略法は前と然程変わらないとは思うんだけど、攻略にモタモタしていると京都選抜の強力打線に追い付けない可能性があるし、なんとか手を打たないと……!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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