神童さんも大豪月さんと同様に全球団から指名が来ました。
「流石は神童先輩ですね」
「神童先輩と洛山の大豪月さん……。2人がどこの球団に行くのか気になるね」
『ただいま神童、大豪月両選手がこの場に来ておりますので、本人達による球団逆指名とします』
「き、球団逆指名!?」
「しかも2人同時って歴代で初めてだよね!?」
球団逆指名……。それは選手がどこの球団に所属するかを自由に決められるシステム。従来の指名では2球団のどちらかしか指名が出来ませんが、逆指名システムによって私達女子が所属出来る全20球団全ての選択肢が出来上がります。
そして日葵さんが言ったように、逆指名2人同時は例年にないものです。1人だけなら何度かはありましたね。去年白糸台を卒業した宮永プロがその例でしょうか?
壇上に上がった神童さんと大豪月さん。数秒の沈黙の後に、神童さんは……。
『私、神童裕菜と大豪月は共にプロ入りを辞退します』
爆弾発言と言っても過言ではない宣言が飛び出しました。
(事前に聞いているとはいえ、肝が冷えそうになりますね……)
それと今の内に耳を塞いでおきましょう。今は沈黙していますが、その後にきっと……。
「「「ええっ!?」」」
『ええっ!?』
3人の声とテレビの声が一致した瞬間です。耳を塞いでいても煩いですね……。
「ふ、2人共プロ入りを辞退しちゃうの!?」
「だ、大胆な発言ですね……」
「そ、そんなのもったいなくて出来ないよ……」
鋼さんの言う事はごもっともですね。しかし先々の事を見据えると大学卒業の肩書きもほしいと思う気持ちはわかるので、仮に何も聞いていなかったとしても、神童さんが高卒で終わらせる訳にはいかないというのは気付けていたと思いますが……。
『で、では2人は大学を卒業してからのプロ入りを視野に入れていると……?』
『そうですね……。少なくとも私はそのつもりです』
ちなみに視野に入れているのであって、大学卒業後にプロ入りをするとは限りません。かくいう私も似たような進路を描いている訳ですからね。
『しょ、衝撃の事実が発覚しましたところで、今年度女子選手のドラフト会議を終わります……』
ドラフト会議から数時間後。私は神童さんと2人で話をしています。
「今日は会場を震撼させましたね」
「……まぁこうなる事は予測していたさ。それよりもどうだ?二宮の考えは?」
私は前々から神童さんの進学予定の大学に来ないかと誘われています。まぁ肝心の進学先の大学はまだ決まっていませんが……。
「……元々大学進学の予定でしたし、私は神童さんに着いていきますよ」
「そうか。それは大学進学後の楽しみが増えたな。でも良いのか?プロ入りはしなくて……」
神童さんに高卒でプロ入りをしないかと訊かれますが、私の答えはもう決まっています。
「大学進学は既に決まっています。神童さんに誘われたので、進学先でも野球はするでしょう。ですが私は大学で野球を辞めます」
この発言に神童さんは意外そうにしていながらも、どこか納得したかのような表情をしていました。この人には私の考えはお見通しなのかも知れませんね……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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