3回裏は三者三振に終わってしまい、4回表。
「はぁ……。味方の援護がないと辛い……」
一ノ瀬さんがため息を吐きながらマウンドへ歩く。不甲斐ない限りで申し訳ない所存でございます!
まぁそれはさておき、この回は2番の暮羽さんから……。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
当てる事に関してはイーディスさんにも負けていない暮羽さんをも三振に……。前の回でイーディスさんを打ち取った事で、完全に勢いに乗ってるね!あとは……!
「1打席目の借りを返させてもらうわよ!」
3番のウィラードさん、そして4番の上杉さん。中軸2人に確定で回ってくるのが怖過ぎる……。
「鬱陶しい……!」
そして一ノ瀬さんもネガティブオーラがムンムンだし、尤も楽しそうにやれば良いのにね。
(楽しそうに野球をするネガティブじゃない一ノ瀬さんねぇ。こんな感じ……?)
駄目だ。違和感しかない。クリスマスイブの時に想像した二宮の陽気な姿ばりの別人レベル!二宮もそうだけど、私は在りし日の一ノ瀬さんを知らないもの!
「…………」
「ど、どうしたの瑞希ちゃん?」
「……いえ、何故か失礼な事を思われた気がしました」
「瑞希的に何が失礼なの?」
「そうですね……活発な私が似合わないとかですか?」
「えぇ……。でもそれは仕方ないんじゃない?普段の瑞希がこんなだし」
「失礼ですね。私は常に(情報を求めて)活発に動いていますよ」
「いやいや、表情の事だよ。瑞希の表情筋はあんま動かないし」
「いずみさんも私の幼少期のアルバムを見た事があるでしょう?どこにでもいる可憐な少女です」
「自分で言っちゃうんだ……。和奈くらいしか瑞希のその可憐な少女時代を知らないから、否定しか出来ないって」
「まぁそれは仕方がありませんね。幼少期の時点で私は笑う必要がないと学びましたから……」
「……っ!」
(瑞希ちゃんが笑わなくなったのは私が、私のせいで……)
「……和奈さんが気にする必要はありませんよ」
「み、瑞希ちゃん。でも……!」
「それよりも試合に集中ですよ。埼玉選抜は一ノ瀬さんが想像以上の奮闘を見せています」
カンッ!
ウィラードさんも今度は一ノ瀬さんの変化球を捉えるも……。
バシッ!
「その程度、まだ甘い……」
『アウト!』
ライナーを一ノ瀬さんが余裕を持って捕球。これでツーアウトだ。
「よろしくお願いします」
右打席には凛とした表情で打席に立った上杉さん。それを見た一ノ瀬さんは……。
「はぁ……。そんな自信に満ちた表情しないでほしいよ。陽キャを見ると、より鬱になるんだよぉ……!」
な、なんか陰気な圧がライトまで来た気がする……。これは期待しても……良いんだよね?
ガッ……!
上杉さんは初球から打ってくる。しかし打球はライト線。ふらふらっと私のいるところへ打ち上がり……。
「オーライオーライっと……」
『アウト!』
私はその打球を捕った。というかもうフェンスに来たんだけど?あと数センチ後ろだったらホームランだったんだけど?
(相変わらず恐ろしい打球を放つ……)
あれが打ち上げた打球とは思いたくない……。これがスラッガーってやつなの?
「まさか真深が2打席連続で打ち取られるなんてね……」
「そうね……。一ノ瀬さんが投げたのがシュートだったからカットのつもりで打ったのだけれど、差し込ませてしまったわ。でも……」
「でも?」
「一ノ瀬さんの不規則性がなんとなく掴めたわ。だから……次の打席で必ず打ってみせる……!」
「……そうね。私も次は打ってみせるわ!」
4回裏。試合は思わぬ展開を見せる。
ズバンッ!
『ボール!フォアボール!!』
この回は2番から始まる打順。しかし2番、3番と連続で風薙さんは四球を与えた。
『な、なんと群馬選抜の風薙選手、連続で四球を出してしまいました!』
『この回になって急に制球が定まらなくなりましたね。今大会、風薙選手にとって初めてのピンチとなりました』
ノーアウト一塁・二塁のチャンスで、打席に入るのは雷轟……。
「お姉ちゃん……。絶対に、絶対に元のお姉ちゃんに戻すからね!!」
「……良いから黙って打席に立ってよ。公開処刑にしてあげるから」
普段の風薙さんからは絶対に聞かない台詞……。球場は緊迫した雰囲気に包まれて、埼玉選抜はチャンスを迎える。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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