カウントはノーボール、ワンストライク。私はこの打者に持てる力を全て出し切る!
(二宮は外角低めに構えている……。それならこのボールだね)
基本的に二宮は私と組む時にサインを出さない。二宮曰く「朱里さんは下手にサインを出すよりもコースに構えておけば、自然と正解が出ます」だそうだ。このやり方になってもう7年以上だけど、未だに慣れないな……。
(相手はレジー・フォスターを模した選手……。前の打席まで投げていた球は通用しない)
初見で球筋を探っている内に抑えてしまおうというのが私の作戦だ。二宮には浅はかだと言われたけど……。余計なお世話だよ!
ズバンッ!
『ストライク!』
よし!SFFで上手く意表を突けた!しかし……。
(滅茶苦茶しんどい……。今回そこまでハイペースで投げてない筈なのに、こんな疲れる事ってある?)
まぁ相手チームに威圧感を放つ打者が多いのも理由の1つなんだろうけどさ……。そう考えると、私がここまで投げられているのってもしかして体力向上が成功してるって事?
カキーン!!
『ファール!』
タイミングをずらす為に投げたチェンジUPをあっさり場外へと持っていかれた。ファールで良かった……。
(でもいつまでもこのままじゃ駄目だ。ジリ貧だと不利なのは私の方だし、ここは絶対に抑えないと……!)
打たれる訳にはいかない……!抑えなきゃ!
(……!朱里さんから何やら禍々しい気配が……。もしやこれはかつて静華さんが経験したものでは?)
(これは……!朱里殿が投げるのでござるな。予想通りと言えばそうなんでござろうが……)
(あれ……?なんかは力が湧いてくる……?どこからこんな力が出て来たの!?)
で、でも今なら抑えられる気がする……!
「超流星群……!」
振りかぶって投げた瞬間、球は光輝いて、それは本当に流星群の如くキャッチャーミットに向かって行った……。
ズバンッ!
『ス、ストライク!バッターアウト!!』
え……。何が起こったの?なんか信じられない出来事が起きたんだけど!?しかも……。
ガクッ……!
「「朱里ちゃん!?」」
急に体の力が抜けたんだけど……。雷轟と武田さんが同時に駆け寄って来たので、2人に肩を貸して貰う事に(2人がサードとベンチの2方向から同じタイミングでマウンドまで駆け寄った事には触れない)。
「朱里ちゃん、さっきの球は何だったの?」
「……何だったんだろうね。私にもよくわからない。相手打者を抑えなきゃって思ったら急に投げれたからね」
実際に不思議な事だ。なんで私が本物の魔球を投げられるようになったかが本当にわからない。村雨とかに聞いたらわかるのかな……?
(まぁ今はこの試合に集中しよう……)
私はもう投げられないから、武田さんにバトンを渡すけどね。
『アウト!チェンジ!!』
武田さんが無事に後続の打者を抑えたし、流れは私達に来ている筈……。この裏の回に絶対に先制点を取って、逃げ切りたい。幸いにもこっちの打順は1番からだし、まだまだチャンスはある!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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