5回表。この回はトップに戻ってはづきさんの打順からなのですが……。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
「はづきどうしたんだろ?1球も振らなかったけど……」
「恐らくですが、はづきさんはピッチングに専念する為に体力を温存しているのでしょう」
「温存……?」
「本来投手というポジションは投げるのに集中させる為に下位打線に置く事が多いです。今回のはづきさんのように打撃方面でも期待されていると上位打線に置かれているケースもありますが」
神童さんや新井さんのケースはむしろ稀ですね。あの2人は野手としても起用する事もあるので、上位打線に配置する事も珍しくありません。今のはづきさんもこのケースに当てはまりますね。
「じゃあプロ野球でDH制があるのは?」
突如話題がプロ野球になりましたが、雷轟さんの疑問に答えておきましょう。あくまでも私の持論ですが……。
「……これは私の持論になりますが、投手がピッチング1本に絞る為と、守備が苦手でバッティングに自信がある打者を起用する為でしょう」
今の新越谷の選手に当てはめると、雷轟さんがDH枠に収まるでしょう。来年にある県対抗総力戦で擬似的にプロ野球と同じ体験も出来そうですしね。
『アウト!チェンジ!!』
「5回表終了時点で未だに両チームパーフェクトですか……」
「梁幽館は朝海さん以外は橘による三振、美園学院は打たせているもののほぼ全ての打球を3姉妹に任せて取ったアウト……。中々ハイレベルな試合だよね」
「そうだね~。まるで埼玉県の夏大会の準決勝で朱里と亮子が投げ合った時みたい☆」
夏大会の朱里さんと亮子さんの対決とはまた違いますが、スコアの状況は似ていますね。
「亮子ちゃん……はこの秋大会には参加出来ないんだよね」
「そう……だね。私と橘がほぼ毎日お見舞いに行って様子を見てる。本人は気丈に振る舞ってはいるけど、私達の見えないところではきっと悔しい想いをしていると思う」
亮子さんは事故に遭って入院しているみたいです。3月にあるシニアリーグの世界大会には間に合いそうだと朱里さんから聞いていますが、スタメン採用が出来るかはまた別になりそうですね。
(また入院している亮子さんの状態はリトル時代の朱里さんと同じような状況とも聞いています。であれば相当危険な精神状態のようですね……)
そんな亮子さんに誰かが付いていれば良いのですが、朱里さんと亮子さんでは色々と違いますからね。亮子さんには頑張ってほしいところです。
「で、でもでも!どっちのチームが均衡を破るのかは楽しみだよね!投手戦の醍醐味だよ!」
雷轟さんが話を変えてくれたので、乗っておきましょう。重苦しい空気が苦手な訳ではないですが、得意という訳でもないですからね。
「……そうですね。4回の動きを見る限りだと危険なのは梁幽館でしょう」
「はづきの動きが若干激しいからね~。先にバテちゃうかも」
「……それでもここが踏ん張り所なのも間違いないかも知れないね」
踏ん張り所を越えると、今度は梁幽館が有利になる筈……。はづきさんもその機会を伺っているようにも見えますね。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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