「それでさっきの続きを訊かせてほしいんだけど……」
先程までいずみさんと抱き合っていた雷轟さんが話の続きを訊きたいと言いました。切り替えが早いですね……。
「そうですね……。それでは改めて三森3姉妹のスペックをそれぞれわかる範囲内で紹介しましょうか」
この場にいる中では和奈さん以外が関東大会で当たる可能性がありますからね。復習の意味も兼ねて説明しておきましょう。
「まず三森3姉妹に共通するのは機動力の高さと、そこから生まれる守備範囲の広さです」
「当てればヒット(内野安打)確実で、外野前の当たりでもツーベース狙えるもんね~。もしかして外野オーバーならランニングホームラン狙えるんじゃない?」
私の説明にいずみさんが補足します。三森姉妹を全く知らない人にとってもわかりやすく脅威的ですね。ちなみに捕球能力に関してはリトル時代ではそこそこの失策率があったそうです。機動力に引っ張られた結果でしょうか……。
「次に打撃能力ですね。朝海さん、夕香さん、夜子さんの並びでオーダーが組まれており、姉妹がそれぞれ別の役割を持っています」
「長女の朝海がカット能力に長けてるんだよね?」
「そうですね。ミートが抜群に上手く、シニア時点で全国有数のカット打ちが得意な打者となります。パワーに関してはいずみさんよりもやや低いくらいです」
ちなみにシニア時点でのいずみさんと比較しています。
「続いては次女の夕香さん。役割としては朝海さんが出塁した時に確実に次に繋げてあわよくば自分も出塁してやろう……という魂胆が打撃能力に現れていますね」
白糸台では佐倉姉妹が似たような役割を持っていますね。まぁ三森3姉妹を連想して、私があの2人に動きを教えた訳ですが……。
「でも実は3姉妹の中では夕香が1番パワーがあるんだよね~」
「確かに3人の中で1番本塁打数が多いですね」
シニア時点でのいずみさんよりも長打力があるのは間違いないでしょう。
「最後に三女の夜子さん。役割は出塁したランナーを確実に還すお掃除係ですが、見送りが多い印象にあります」
「朝海はカットに優れてるけど、夜子は待球に優れてるって感じかな?聞く感じでは朝海の劣化みたいに思えるけど……」
「しかし速球打ちなら姉妹の中で1番上手いですね」
だからという訳かはわかりませんが、朱里さんのストレートに見せた変化球を上手く捉えたのかも知れませんね。
「3人の役割から適切な打順は朝海さん、夜子さん、夕香さんが一般的ですが、彼女達の中では長女、次女、三女の繋ぎが大きな結果を出しました」
「大きな結果?」
「先頭の朝海さんが出塁した時の得点率が9割越えになりました」
「凄っ!」
「何度聞いても凄い話だよね……」
「また夕香さんが繋いだ時の生還率も同様に9割を越えています」
「だから春日部シニアに勝つには三森姉妹の出塁を許してはいけないって他シニアの共通認識が出来上がったんだよね……」
今聞くと本当に脅威ですね。しかも高校に入ってそれが更に磨かれてると思うと、厄介な事この上ありません。
「このような結果は姉妹の打順を弄ると起こらなくなり、再び元に戻すと同じ結果が算出されました。ですのでパワー関係なしに三森3姉妹の打順は朝海さん、夕香さん、夜子さんとなる訳です」
「成程……!」
雷轟さんに体良く力された感じがありますが、まぁこれは必要経費でしょう。
『アウト!』
7回表は一気にツーアウトまで追い込まれています。ここで3人で終わってしまうと、また美園学院に流れが行ってしまいますが……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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