二宮瑞希です。河川敷を通っていると、風薙さんとウィラードさんに遭遇しました。
ズバンッ!
そして今はこうして風薙さんの球を捕り続けている訳ですが……。
(風薙さんの球を見たのは3年ぶりですが、最早当時とは比べ物になりませんね……)
(彼方先輩の球を寸分のブレすら見せずに捕り続けるなんて……。この捕球能力は世界一の捕手とも言われるリリ・フロイスと競るわね……!)
風薙さんの持ち球はこの豪速球に、ほぼ同速で投げられるドロップボールとナックルボール……。決して多くの球を操れる訳ではありませんが、1つ1つが研ぎ澄まされています。
(大豪月さん以上のストレートと神童さん以上の変化球のキレ……。これは来年の夏は嵐が吹き荒れますね)
「よし!じゃあ次で最後にしよっか。じゃあ瑞希ちゃん、打者役をお願い!」
「……?わかりました」
「彼方先輩、もしかしてあれを投げるんですか?」
「そのつもり。きっと瑞希ちゃんなら良い反応をくれる刈らね」
「……それなら私が球を捕ります。構えているだけで良いなら、私でも出来ますし」
「ありがとうユイちゃん!」
ラスト1球というタイミングで私が打者として指名されました。風薙さんとウィラードさんの会話から察するに、投げられるのはど真ん中のストレート系列の球のようですが……?
(風薙さんの自信に満ち溢れた表情から察するに、恐らく風薙さんの決め球を投げてくる筈……)
しかも1球限りみたいですので、可能なら打っていきたいですね。
「じゃあいくよ……!」
「「…………!」」
(風薙さんから発せられる威圧感……。世界最強レベルの投手はやはり別格ですね)
(普段の朗らかで無邪気な彼方先輩とは正反対と言ってもいいわね……。慣れていなければ押し潰されそうよ)
風薙さんが投球フォームを取って投げます。
(かなり速いですが、先程まで投げていたストレートと大差ありませんね……)
とりあえず打ってみますか……!?
ズバンッ!
「これは……」
(まぁ初見では絶対に打てないわよね……。というかほとんどの人が手を出せないわよあんな豪速球!)
確かに芯で捉えた筈なのですが……。球が……貫通した?
「どうかな?私の決め球だけど……」
「……中々に面妖な球でした」
(先程はスイングしたから、あのようにすり抜けたようにも見えた……。恐らく当てるだけならバントの構えをするだけで良いでしょう)
「やっぱり瑞希ちゃんは凄いね。決して諦めないって眼が好感持てるよ!ね?ユイちゃん!」
「そ、そうですね……?」
(眼の光が消えてるようにも見えるから、余りわからないわね……。それに何をしてくるかわからない……って思わせる二宮さんのポーカーフェイスは油断が出来ないのは確かだと思うわ)
中々有意義な時間が過ごせたところで、そろそろ行きましょうか。
「……私はこれで失礼します」
「あっ、もしかして用事があった……?だったら引き止めてごめんね?」
「気にしなくても問題ないですよ」
メインの用事の7割はもう済ませましたからね。
「そうだ瑞希ちゃん!朱里ちゃんに会ったら伝言をお願いっ!」
「わかりました」
風薙さんのメッセージを聞いて、2人と別れます。
(気分を変えてバッセンに行ってみましょうか)
先程の空振りのイメージを払拭させる為にもアリですね。唯一出逢わなかった上杉さんの情報収集はそれからにしましょう。
……と、そう思っていた訳ですが。
「あっ、二宮さんだ!」
「遥ちゃんの知り合い……?」
バッセンで出逢った雷轟さんの背後には上杉さんがいました。偶然というか既視感というか……。今日はなんだか奇妙な日です。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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