二宮瑞希です。バッセンで雷轟さんと上杉さんに偶然出逢い、交流していましたが、バッティングセンターとは本来バッティングをする場所……。それに従い私は1番遅いストレートのケージに入ります。
カンッ!
こうしてタイミングを合わせて、自分の理想の安打を打ち続けます。これをリトル時代ではよくやっていましたね。
カンッ!
「綺麗に捌くわね……」
「1番遅いストレートってこんな感じなんだ。まるでスローボールみたい……」
実際にこのケージはスローボールを模して作られたと聞いています。機械の球ではありますが、スローボール対策をする時も利用させてもらいました。
カンッ!
「タイミング完璧……」
「実際スローボールをタイミング良く打つのは簡単ではないものね……」
「そうなの?」
「ええ。速いストレートを打つのと、スローボールを打つのではまるで違うの。尤もスローボールを投げられる機会はそうないから、余計にそう思ってしまうかも知れないけれど……」
上杉さんの言うように、スローボールを投げられる事はそうありません。見せ球として使う事はあっても、それを中心に投げる事はほぼありません。鉄砂高校の佐藤さんが超スローボールを使いますが、それも決め球として使う訳ではありません。
カンッ!
「うう……。あんなに遅い球だと逆にタイミングを狂わされちゃうよ……」
(そのスローボールに対してあれ程にまで完璧に合わせて打つ……。それが出来る二宮さんは打者としてかなりハイレベルね。遥ちゃんのようなスラッガーとはまた違った厄介さを持っているわ)
何故か2人がこちらを見ていますが、私は流しのつもりで打っています。見ても面白いものは特にありませんよ?
カンッ!
10球が終わったので、私はケージから出て軽くストレッチをします。
「お疲れ様っ!」
「綺麗なバッティングだったわ」
雷轟さんと上杉さんが私を褒めていますが、本来私達は敵同士の関係です。何か情報を得ようとしているように見えるのはきっと私の気にし過ぎなのでしょう。
「……もうこんな時間なのね」
「どうしたの真深ちゃん?」
「今から従姉妹の家に行くのよ。年末年始の間そこにお世話になるのだけれど……。そうだ。良かったから遥ちゃんと二宮さんも来ないかしら?私の従姉妹を紹介するわ」
なんと上杉さんからそんな提案が飛び出してきました。今日会ったばかりの私達に従姉妹を紹介するなんて、コミュニケーション能力がずば抜けてますね。それがアメリカにいた影響なのか、本人の素なのか……。どちらかと言えば後者でしょうか?
(まぁ私も雷轟さんも上杉さんの従姉妹はよく知っている人物である可能性が高いと思いますが……)
ひょんな事から上杉さんと雷轟さんと出逢い、従姉妹さんの家に行く事になりました。今日という1日の濃さは今年1番でしょう。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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