「私もここに来る前に風薙さんに会ってきました。性格とかは相変わらずでしたが……」
「えっ?二宮、風薙さんと会ってきたの?」
「会ったのは偶然です。本来なら静華さんに会って必要な情報をもらおうとしたのですが、その時に風薙さんと……ウィラードさんもその場に居合わせてました」
(成程……。現状風薙さんとウィラード・ユイさんは一緒に行動しているようだ。上杉さんの帰省が終わり次第、上杉さんもそこに合流する……という形を取っているのだろうね)
朱里さんが何やら思案顔をされています。それなら更に追加で情報を与えておきましょうか。
「そして……そのついでと言ってはなんですが、風薙さんの球を数球受けてきました」
「!?」
今度は上杉さんが驚愕しています。忙しいですね……。
「それで……どうだったの?」
「……3年前の風薙彼方さんはもういませんね。彼女は既に別の次元へ進んでいます」
まぁあれ程の選手なら3年もの月日が経てば成長も著しいでしょう。アメリカのシニアや高校でも最前線で闘ってきた訳ですしね。
「別の……次元?」
「まずストレートですが、球速は大豪月さんを凌ぎます」
「大豪月さんを……!?」
あくまでも現状の風薙さんと夏時点での大豪月さんを比較した時の話です。それからの事を考えると、今は大豪月さんの方が上でしょうね。
「彼女の持ち球であるドロップも、ナックルも、更にキレを増しています。そして……」
「そして?」
バットを貫通する摩訶不思議な球を投げる……等というのは口で説明し辛いですね。
(それにこれからの事を考えて、朱里さんは自分の目で見た方が良いでしょう)
「……これは私が説明するよりも、朱里さん自身が体験した方が早いと思います」
「そっか……」
「風薙さん達はかつて私達が練習していた河川敷に足を運んでいるみたいです」
「あの河川敷に……」
厳密には先程風薙さんに朱里さんが河川敷に行くと連絡をしたばかりなのですが、朱里さんの性格上……そして朱里さんと風薙さんの関係的に朱里さんが風薙さんに会いに行かない訳がありません。
「ただいま~!」
どうやら武田さん達が帰って来たみたいですね。というか家主不在で出掛けたのは良かったのでしょうか……?まぁ上杉さんがいるし、問題ないとは思いますが……。
「……私はこれでお暇するね」
「朱里ちゃん……?」
行くみたいですね。風薙さんに会いに……。
「お邪魔しました」
「……私もこれで失礼します。お邪魔しました」
私も同行しましょう。朱里さんを呼び出した責任もありますし、もしかしたら捕球役が必要なのかも知れませんし。
「私もちょっと出て来るわ」
「ええっ!?真深ちゃんまで!?」
上杉さんも交えて、風薙さんとウィラードさんが待っている河川敷へと向かいます。朱里さんが風薙さんとの再会で何かを得られたら良いのですが……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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