1回表から4点先制され、尚も相手打線が止まる気配がなく、ベンチからは諦めのムードが漂っています。
「……仕方ないですね。タイムお願いします」
「二宮……?」
私はタイムを掛けて、マウンドへと駆け寄ります。
「うぅ……!」
「瑠花ちゃん、大丈夫?」
「まだ1回だし、私達で逆転するから大丈夫!」
「そ、そうだね。取られたら、盛りかえせば良いんだから……!」
「まだまだクヨクヨするのは早いと思います!」
「そうッスよ!」
内野陣が集まって十六夜さんを慰めていますね。私も早いところ言うべき事を言っておきましょうか。
「すみません、少し良いですか?」
「二宮さん……?」
「十六夜さん、耳を貸してください」
「は、はいっ!」
私は十六夜さんに台湾代表の打線を抑える術を伝えます。
「そ、それで本当にいけるんですか?」
「向こうの大振りを見れば必ずこれでなんとかなる筈です」
「確かに……。これなら台湾の打線を抑えられる。瑠花ちゃんの変化球があれば!」
「…………?」
(どうやら高橋さんは気付いたようですね。これなら高橋さんのリードで向こうの打線を封殺出来るでしょう)
当の十六夜さんがまだ疑問を抱いていますが、高橋さんのリードにしたがえば問題ないでしょう。
一仕事終えてベンチへと帰ってきました。
「お帰り二宮」
「瑠花ちゃんに何を言ってきたの?」
渡辺さんが何を言ったのか気になる様子なので、話す事にしましょう。別に隠す程の事でもありません。
「簡単な事ですよ。十六夜さんの投げる変化球をホームベース2つ分の幅を使って投げるように言ったまでです」
「変化球を……?」
「ホームベース2つ分の幅を使って投げる……?」
私の発言に対して大半の人が何を言っているかわからない様子です。そんなに複雑な事を言っていない筈なのですが……。ベンチ内で理解しているのは監督、朱里さん、亮子さんくらいでしょうか?
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
「おおっ!?本当に良いコースに変化球が決まりだした!」
「まぁこれはあの大振りな打線を相手にするから出来る芸当であり、アメリカ代表を相手にすれば痛打されるか、見られて終わりですけどね」
去年までの洛山にも通用しそうですが、今の洛山相手でも厳しそうですね。
ズバンッ!
『ストライク!』
しかし碌にコースを見ずに振っている打者が大半ですね。アメリカ代表の完全劣化と周りから言われる訳です。
(この戦術が通用しないのは4番の陽春星さんくらいですかね……)
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
ともあれこれで1回表が終わりましたね。反撃開始といきましょう。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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