二宮瑞希です。上杉さんとウィラードさんが朱里さんを物凄く意識しているようです。まぁ理由は色々あるでしょうが……。
(朱里さんの実力は世界を相手にしても通用するのですね……)
そんな朱里さんが唯一完全敗北を喫してしまったのが1つ年上の宮永咲さん。夏の全国大会でも宮永さんが上回っていました。正直宮永さんと上杉さんに大きな違いはないと思いますが……。
「で、そちらにいるのは……」
「アメリカ代表のショートを守っています、ロジャー・アリアと申します。以後お見知りおきを」
良い所の令嬢みたいな雰囲気を出しているロジャー・アリアさん。私も彼女とは家柄含め色々な付き合いがあるものです。
「そして……。お久し振りですね。二宮瑞希さん」
『ええっ!?』
「…………」
ロジャーさんとの交流は今でも続いていますが、それはなるべく秘密裏にしよう……というのがロジャー家のしきたりだと聞いた記憶があります。
(それを堂々と話しても良かったのでしょうか……?)
当の本人はクスクスと笑っています。油断なりませんね。
「……言う程久し振りでもないと思いますよ?最後に会ったのも年明けですし」
「ふふっ。ただの社交辞令ですよ」
令嬢ですからね。社交辞令の1つや2つ、必要になってくるでしょう。
「み、瑞希ちゃん。ロジャーさんとはどういった関係なのかな……?」
全員を代表して和奈さんが尋ねてきます。当たり障りのない解答で良いでしょう。
「はぁ……。別に大した事はありませんよ。私とロジャーさんは互いに情報を集め、共有し合っているだけです」
「利害の一致……とでも言っておきましょうか?互いに必要な情報を共有し合っている訳ですが、私は瑞希さんが持ち込んでくる情報には大いに助かっています」
「に、二宮さんが持ち込んでくる情報って……?」
今度はウィラードさんがロジャーさんに尋ねます。おいそれと言って良いものではないと思うのですが……。
「情報……と言っても色々ありますが、特に私が助かっているのはアメリカの株価や財政、前大統領が隠蔽した不祥事等々ですかね」
『…………』
やはり簡単に話す内容ではありませんでしたね。それともロジャーさんからすれば些細な事でしょうか?
「……それよりも私に何か用があったのではないですか?」
「いえいえ。たまには瑞希さんと談笑するのも悪くないと思っているんですよ」
……本心ではあるのでしょうが、それは恐らく10%もないと見るべきですね。
「まぁ日本代表の皆さんは頑張って決勝戦まで勝ち進んでくださいね。我々アメリカ代表は待っていますから」
決勝戦まで進む宣言もしれっとしています。ロジャーさんはこれを本心で言っています。食えませんね。そしてロジャーさんは私とすれ違うや否や……。
「今夜、お話をしましょう?」
私にだけ、聞こえるように呟きました。ロジャーさんの方を振り向くと、彼女はクスクスと笑っています。
妖艶で、蠱惑的な印象の強い……。ロジャー・アリアはそういう人物です。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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