二宮瑞希です。いよいよ決勝戦……アメリカ代表との試合当日を迎えました。
「ふぁ……あふぅ。おはよう二宮……」
「おはようございます」
朱里さんがお目覚めですね。まだ眠そうにも見えますが……。
「いよいよですね。準備は万全ですか?」
「もちろんだよ」
先程とは打って変わって、少し朱里さんの目線が鋭くなりました。切り替えが早いのは良い事です。
(今日の私の役目は朱里さんのスタミナ管理、そして夜子さんのリードを上手く行う事ですね)
私が足を引っ張らないように、意識しなければなりませんね……。
今日の試合のオーダーは昨日発表したものと同じ。それに対してアメリカ代表のオーダーは……。
1番 センター ミッキー・スズキ
2番 セカンド リンゼ・シルエスカ
3番 ショート アリア・ロジャー
4番 レフト マミ・ウエスギ
5番 サード ユイ・ウィラード
6番 ライト エルゼ・シルエスカ
7番 キャッチャー パトリオ・パトリシア
8番 ファースト ノエル・キャリントン
9番 ピッチャー アルヴィン・スペード
オーダーの発表はそれぞれの国のやり方に任せているそうです。私達日本代表のオーダーは古くからある苗字のみ(同じ苗字の選手がいる場合は名前が2文字以下ならフルネーム、名前が3文字以上なら最初の一文字までを表示)というものです。
「アメリカ代表は打順を大きく変えてきましたね。ウィラードさんが先発じゃないのが気になるところですが、その理由も大体察する事が出来ます」
(私の予想が正しければ、向こうもこちらと同じ動きを取ってくる筈……)
そしてその対象は和奈さんで間違いないでしょう。
「変わってないのは2番と4番だけ……」
「2番のリンゼ・シルエスカさんと、4番の上杉さんはそれぞれの打順に合わせた仕事をきっちりとこなしています。なのでこの2人はずっと不動となりますね」
(まぁ他の打者がその打順の仕事をしていない訳ではありませんが……)
他の打者はこの決勝戦に備えて、様々な打順を試したのでしょう。これも私達と同じ部分です。
「ロジャーさんに至っては一気に3番に昇格してるね。それくらい実力が拮抗してたのかな……」
とはいえロジャーさんの適性打順は本来なら1~3番のどこかに入るのは間違いないでしょう。むしろこれまでの試合で下位を打っていたのが可笑しいくらいです。
「元々3番にいたミッキーさんが1番……か。天職と言えばそうかもね~」
ミッキーさんのフルネームからわかるように、彼女も上杉さんと同様の日本人です。本名は鈴木美希さんです。
(鈴木……という苗字は日本中にありふれていますが、ミッキーさんの場合は『あの鈴木家』ですからね)
野球エリートを排出し続けている事で有名に鈴木家です。ちなみに同じような野球方針を行っている『佐藤家』と『田中家』もあります。
「こちらの先発は夜子さんになる訳ですが、上杉さん以外を相手取る場合、特にキツくなるのは1番の鈴木さん、3番のロジャーさん、5番のウィラードさんの3人になりそうです」
「元々夜子は打たせて取るピッチングをしてるから、朝海や夕香や亮子を中心とした守備連携が重要になってくるかもね」
「その辺りは瑞希ちゃんがリードでカバー出来たら良いね」
「なるべく手綱は握っておきますが、基本的には失投に気を配って打たせて取るピッチングをさせますよ」
私は私に出来る事をやっていくだけです。
「おっ?そろそろ整列の時間だよ」
「ド、ドキドキしてきた……」
「私達が狙うのは世界一。今から緊張していたら最後までもたないよ」
朱里さんの言う通りですね。私達日本代表は萎縮せずに強欲に、貪欲に、前のめりになって世界一を狙っていきましょう。
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