日本代表の先制点は上杉さんのレーザービームと呼ぶに相応しい送球によって阻止されました。いずみさんは落ち込んでいますが、気持ちは早め早めに切り替えた方が良いですよ?
「さて、切り替えて守っていきましょう」
「あ~あ。アタシもまだまだだなぁ……」
いずみさんはメンタル面にやや難ありですが、まだこれから挽回出来るレベルでしょう。
「朱里さん」
「うん?」
世界大会で私の出番が頭からあるのはこの試合が最初で最後になります。悔いのない試合をしたいものです。
「取りましょうね。世界一」
「当然。でもそれは夜子さんの仕事だけどね」
勝つに越した事はありません。全力でやっていきましょう。
「夜子、バックには私達が付いてるわ」
「美園学院とは違うポジションだけど、今日の為に精一杯連携を練習してきた……。その成果を見せ付けてやりましょう」
「うん……!」
守備方面では三森3姉妹をフルに使えますし、守備力においてはアメリカ代表に勝ってると言っても良いでしょう。
そして私は私でアメリカ代表の打線を改めて把握しておく必要があります。
(1番のミッキーさんはこれまでの試合では3番を打っていた……。バッティングスタイルは出塁重視。多分1番になったこの試合でも役割は変わらないと思いますが……)
ズバンッ!
『ストライク!』
見逃し……?
ズバンッ!
『ストライク!』
2球目も見逃し。これは恐らく3球目も……。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
万が一の事を考えてコースギリギリに投げさせましたが、これも見逃しですね。私の予想が正しければ、次の打者も……。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
(これで二者連続三振……なんだけど)
(1球も振らなかったのは妙ね……)
(夜子の球は確かにここ数ヶ月で大きく成長したけれど、決して打てない球じゃない。夜子もそれを逆手に取って今の打たせて取るピッチングを売りとしている……)
1番のミッキーさん、2番のリンゼ・シルエスカさんと続けて見逃し三振……。この6球で相手打線が動き出すには充分でしょうね。
(……恐らく打者2人、合計6球を使って夜子さんの球を分析したのでしょう。こういう搦め手はロジャーさんの差し金ですね)
≪よろしくお願いしますね?≫
(ロジャー・アリア……。安定した打撃と、安定した守備でアメリカ代表の打線に対し、この試合で3番に抜擢された……。要注意人物の1人)
(慎重に投げていきましょう)
(言われるまでもない……)
冷笑を浮かべているロジャーさんは恐らく初球から仕掛けてくるでしょう。
カンッ!
やはり仕掛けてきましたね。打球はファーストへのライナーですが……。
バンッ!
(えっ?)
捕球を試みようとした和奈さんのファーストミットをそのままライトフェンスに直撃させます。朱里さんも一瞬反応が遅れましたね。
(これでツーアウト一塁……。出来る事なら上杉さんの前にランナーを出したくありませんでした)
まぁ過ぎた事を悔いても仕方ありません。切り替えていきましょう。この為に練ってきた作戦を始動する時です。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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