最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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朱里「今回は前回の二宮視点の白糸台高校の一端をお送りするよ」

瑞希「おや?雷轟さんは?」

朱里「出番がないからって隅の方で石を積んでるよ」

瑞希「そ、そうですか……」


番外編 二宮瑞希の白糸台生活 昇格編①

二宮瑞希です。突然ですが、1軍のグラウンドに召集されました。

 

辺りを見渡すと数人の部員達。その中に1軍の選手は1人もいないと聞く。これはもしかして……。

 

(私と同じ、メインポジションが捕手の方々でしょうね。神童さんがこの場にいる事と何かしらの関係があるとは思いますが……)

 

色々考えていると神童さんが私達に声を掛けてきました。

 

「今日は集まってもらってすまない。君達をここに呼んだ理由は私の投げる球を捕れる者が君達の中にいるかどうかを確かめる為だ」

 

(やはりそういう事でしたか……)

 

春大会の白糸台は全国優勝こそはしているものの、神童さん自身が全力で投げられなかったと言っていました。

 

今年の1年生と2年生の捕手全員が集まり、これから神童さんが投げる球を捕球出来るか……のテストみたいですね。

 

「もしもしこの中で私の投げる球を捕れる者が現れたらその者は次の練習試合で1軍メンバーとして連れて行き、更に結果次第ではそのまま1軍に昇格という形を取らせてもらう!」

 

神童さんの発言で周りが騒然とし始めた。無理もありませんね。今いる2年生方はともかく、入学したての1年生がいきなり1軍……つまりレギュラーメンバーとして入る可能性があるんですから。

 

(ともあれ1軍に昇格するチャンスが来ましたね。一応映像で神童さんが投げる球について予習はしてきましたが、まずは捕るところで結果を出さなければ意味がありません)

 

「では左の奴から順番に頼む」

 

「はいっ!!」

 

神童さんから見て左から……という事は私が最後ですね。ハードルが上がっているような気もしますが……。

 

その後1人、また1人と次々と挑戦しますが、一向に神童さんの球を捕球する気配が感じられませんでした。

 

「どうした?私はまだ本気を出していないぞ!」

 

これまで投げた神童さんの球はスライダー、カーブ、シュート、フォーク、シンカー、ツーシームの6種類。未だに誰1人として捕球しておらず、とうとう私の番が回って来ました。

 

「最後!……名前は?」

 

「1年生、二宮瑞希です。よろしくお願いします」

 

何にせよ私なりに頑張るだけ……ですね。

 

(なんだかんだ彼女に私の変化球を見てもらう口実にしてこのようなテストを設けたが……)

 

「…………」

 

(構えを見ると歴戦の捕手……という感じがするな。流石、全国クラスの捕手だ。彼女なら期待出来る)

 

神童さんが振りかぶって投げる。

 

(球種は……シンカーですか)

 

変化量ははづきさんの投げるスクリューをイメージしていけば捕れない球ではありませんね。

 

 

ズバンッ!

 

 

(……これが高校生最強の投手の投げる変化球。朱里さんが投げる球も凄かったですが、この人は更にその上を行く……。朱里さんがどのような練習をしているかによってここで大きな差が出そうです)

 

(やはり私の見立ては正しかった……。4ヶ月という短い間だが、私の新しい相棒は彼女しかいない)

 

その後も神童さんはスライダー、カーブ、フォーク、ツーシームと続けざまに投げて、私はそれを捕球する……という動作が行われました。

 

「……よし、合格だ。二宮を一時的に1軍に昇格させ、3日後の練習試合に動向させる!」

 

「ありがとうございます」

 

(一時的に……ですか。次の練習試合次第では1軍への昇格が確定したものになりそうですね)

 

だからといって気負う必要はありません。リトルとシニアでやってきた事と同じように神童さんをリードすれば良い話です。

 

今日の練習が終了し、同室の鋼さんにこの事を報告すると……。

 

「ええっ!?瑞希ちゃん1軍の試合に出場するの!?」

 

「一応ですが……」

 

予想通り喧しい反応が返ってきました。黙っておいたところで何れはバレるでしょうし、遅いか早いかの違いです。

 

「良いなぁ……。1軍は神童先輩や新井先輩がいるんだよね」

 

「他にも大星さんや亦野さん、渋谷さんと白糸台で名を残している選手が何人もいますね。期待の大型ルーキーである宮永プロも去年まではここの部員でしたし」

 

「そう!宮永プロ!私は宮永プロや新井先輩みたいなジャイロボールを投げたいの!」

 

「そういえば鋼さんは投手をやっているんでしたね」

 

「でもコントロールに自信がなくて……」

 

鋼さんや鋼さんが憧れている新井さんは投手ですが、制球に難ありで最近は外野に回されている……という話を聞いた事がありますね。

 

「制球力を身に付けたいのなら、正確に数を投げる方法がベストですね」

 

「そうだね。瑞希ちゃん、付き合ってくれる?」

 

「良いですよ」

 

就寝まで多少の時間がある為、鋼さんの投球練習に付き合う事に……。

 

何球かキャッチボールをした後に私は座り込み、ミットを構える。

 

「いつでも良いですよ」

 

「うん。いくよ……!」

 

 

ズドンッ!

 

 

(これは……!鋼さんの課題である制球力を克服すれば1軍でも通用するレベルですね)

 

「どう?」

 

「……悪くありませんね。鋼さんが投げたがっているジャイロボールもある程度制球力が身に付いたら挑戦してみるのもありかも知れません」

 

「本当に!?」

 

「はい」

 

「やったぁ!」

 

(単純な性格ですね。この手のタイプは褒めて伸ばすのが1番ですが、彼女の場合はそれには収まりません。2年後にはエースと呼べる実力に仕上げてみましょうか)

 

その為にまずは鋼さんの憧れである新井さんの問題を解決する必要がありますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして3日後。白糸台の1軍の練習試合の日がやってくる……!




朱里「今回はここまで。次回の番外編で二宮が白糸台で1軍に昇格出来るかが決まってくるね」

瑞希「私はいつも通り頑張るだけです」

朱里「それではまた次回の番外編でお会いしましょう」

瑞希「……そろそろ新越谷高校視点の番外編も書いた方が良いのでは?」

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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