瑞希「特別ゲストですか……」
朱里「出番としては最後の方に少し出てくるだけで本格的な登場は次回からだけどね」
瑞希「私はその人達と切磋琢磨する訳ですね?」
朱里「大体そんな感じ」
二宮瑞希です。今日は1軍の練習試合に参加する事になりました。
(私が出来る事をやっていけば何も問題はありません。最悪神童さんの球が捕れるだけの壁……と思われていても1軍に上がるのには何の支障もないでしょう)
「今日の相手は風越高校だ。手強い相手ではあるが、決して勝てない訳じゃない。白糸台の野球をいつも通りやっていくぞ!」
『おおっ!』
風越高校……長野県の高校ですか。いきなり県外の有力校と練習試合が出来るのは凄いですね。白糸台の実力と監督のコネクションがないと出来ない事です。
(……っと、忘れるところでしたね)
「神童さん」
「どうした二宮?」
「これを監督に渡しておいてください」
私はそう言って紙の束を神童さんに渡した。
「これは……?」
「風越高校の選手データです」
私があっけらかんに言うと神童さん……というよりは私以外の全員が驚愕の目で私を見ていました。
「こ、これを1人で調べたのか?言ってくれれば私達も手伝ったぞ?」
「これは私の趣味みたいなものなので、気にしないでください。ただ1ヶ月前のデータですので、役に立てるかわかりませんが……」
風越高校との練習試合を1週間前くらいに聞いていればもう少し最近の情報も掴めたのですが……。悔やまれるばかりです。
「……いや、これで充分だ。ありがとう」
まぁ神童さんが納得しているのなら、問題ないでしょう。
風越高校との練習試合は5回が終了して、6対0で白糸台が大きくリードしています。
「二宮からもらった情報が凄く役立つな……。監督も大喜びだ」
「役に立てたのなら光栄です」
1ヶ月前のデータだったので不安でしたが、上手くはまって良かったです。1ヶ月もあったら朱里さんや和奈さんなら更なる進化を遂げていても可笑しくありませんからね。
「ねーねー、君って面白いよね~!」
「……?私は別段特別な事をした覚えはありませんが」
(あれは二宮にとっては当たり前の事なのか……。本人も趣味と言っていたし、大した奴だ)
「いやいや、普通はあんな面倒な事はしないって!あっ、私は2年の大星淡だよ。気軽に淡ちゃんって呼んでね♪」
「……遠慮しておきます。大星さん」
「もー、ミズキってば堅ーい!」
(大星がああいう風に絡む奴はそいつの何かしらを認めている……という事だ。この様子から二宮が1軍に昇格するのは決まったな)
(裕菜センパイの本気の球を捕れるだなんて壁として優秀だねー。それだけでもこの淡ちゃんが接する価値はあるでしょー!)
6点取られてもまだ風越は死んでませんね。一昨年まで全国常連校だっただけの事はあります。
「さて、私が投げるのはこの回までだ」
突然神童さんが降板宣言をしました。特にどこか痛めている様子はありませんでしたが……?
「えっ?裕菜センパイが投げなきゃ残りは誰が投げるの?」
(確かに……。この試合は神童さんが完投するものだとばかり思っていましたね)
(二宮をこの試合に呼んだのはもう1つ理由がある……。それを残りのイニングで見せてもらおうか)
「次に投げるのは新井、おまえだ!」
「わ、私ですか!?」
神童さんが指名したのはレフトで出ている新井さんでした。
「私長い間投手をやってませんよ!?」
「私は知っているぞ?新井が諦めずに投手の練習を夜遅くまでやっていた事を」
「部長……」
なんかドラマが始まりましたね……。そういえば新井さんは中学までは投手としてやっていましたが、高校に入って外野にコンバートしたという話を鋼さんから聞いた事があります。
それを突然新井さんが投げる等と……!
(成程、そういう事でしたか……)
神童さんの狙いは私に新井さんの投手の才を開花させる為に降板したという事でしょう。
(外野からだが、新井を飼い慣らすところを見せてもらうぞ)
まぁなるようにしかなりませんね。
「新井さん、持ち球を教えてもらっても良いですか?」
「私の持ち球はストレート一本だ!!」
「そうですか……」
鋼さんから聞いた通りですね。何かしらの変化球を身に付けた方が良いと思うのですが……。
『ボール!フォアボール!!』
とりあえず思うように投げさせたものの、一気に満塁のピンチになりましたね。自慢のジャイロボールが泣いています。ですが……。
(これまでの新井さんの投げ方で大体どうすれば良いかわかってきました。彼女の場合だと……)
「ヤバ……。満塁のピンチだし。私のようなノーコンだとやっぱり投手には向いてないのかな?」
「そんな事はありませんよ」
「でも3人連続で1度もバットを振らずに四球だし……」
「ですが新井さんは外野からの送球は出来ているじゃないですか」
「そりゃそうだけど……」
「それなら外野からバックホームの送球をイメージしてジャイロボールを投げてみてください」
「そ、そんなのでいけるのか?」
「私の見立てが間違ってなければこれで問題ない筈です」
間違っていればまた別の修正点を見付ければ良いだけです。
試合が再開して、新井さんが振りかぶる。
(外野からのバックホームをイメージ……!)
ズバンッ!
『ストライク!』
(嘘……。入った!?)
(やはり予想通りですね。これを見越して監督は新井さんを外野にコンバートさせた可能性があります)
その後新井さんは連続三振で満塁のピンチを切り抜けました。
(荒れ球や抜け球が目立ちますが、一巡限りだと問題ないでしょう。そして新井さんが投手になるなら、この辺りも今後の課題としていけばいけそうです)
(凄いな……。たった一言で新井のノーコンが改善された。これなら今後新井を投手として任せても良さそうだ)
『ゲームセット!』
新井さんの投げるジャイロボールに風越打線は手も足も出ずに終わりました。なんとか誤魔化せて良かったですね……。
「……で、瑞希ちゃんはそのまま1軍に昇格したの?」
試合が終わり寮に戻ると鋼さんが結果を知りたがっていたので、話すと羨ましそうな目線で私の方を見ています。
「神童さんも言っていましたし、1軍監督も認めていましたので、そういう事でしょう」
「入部してから2週間で1軍昇格なんて異例だよ!私なんて3軍昇格がやっとなのに……」
それも充分に凄い事だと思いますが……。
「それに入部して僅か3日で2軍に昇格した子達もいるし……」
「いましたね」
彼女達の実力ならばそう遠くない内に1軍に上がってきそうですね。
(名前は佐倉陽菜と佐倉日葵……。二遊間をメインポジションにしている双子の姉妹でしたね)
彼女達を見るとかつて川越シニアの対戦相手だった春日部シニアに所属していた三森3姉妹を思い出しますね。あの2人は彼女達に負けず劣らずの個性を持っていました。
まだ寝るには早いですし、少し練習していきましょう。
「瑞希ちゃん、どこに行くの?」
「練習です。少しでもうまくなりたいので」
私は打撃方面に難があるので、それを改善する為にフォームの確認からバットの振り方まで色々試行錯誤する必要がありそうです。
「陽奈お姉ちゃん、今日私達と同じ学年の子が1軍に昇格してたよ」
「二宮瑞希さん……。一目見た時から並々ならぬ人間ではないと思っていましたが、まさか2週間で1軍に上がるとはね」
「これは日葵達も負けてられないよ!」
「そうね……。私達も1軍昇格を目指して練習するわよ日葵」
「うん!」
朱里「……という事で今回のゲストは東方魔術師さんが執筆している球詠の二次創作『新越谷の潜水艦少女』から佐倉陽菜さんと佐倉日葵さんです」
陽奈「佐倉陽奈です。よろしくお願いします」
日葵「佐倉日葵だよ!よろしくねっ!」
瑞希「今後は彼女達もこの番外編に絡んでくる訳ですね」
朱里「それだけじゃなく、本編にも近い内に登場するよ」
日葵「私達が本編にも出るって!陽奈お姉ちゃん!」
陽奈「ええ。嬉しい限りね」
遥「それでは今回のゲストは『新越谷の潜水艦少女』から佐倉陽奈ちゃんと佐倉日葵ちゃんでした!」
朱里「いたんだ……」
遥「酷い!?」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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