6回裏。アメリカ代表の攻撃は……。
「よろしくお願いしますね?」
3番のロジャーさんから始まります。打者としては上杉さんの次に……場合によってはそれ以上に危険な選手です。
(リードが1点しかない以上はこのロジャーさんを絶対に出す訳にはいかない……。全力で抑えに行く!)
朱里さんもわかっているようですね。ロジャーさんの出塁は100%阻止しなければならない事を……。ですので最高の球をお願いしますよ?
ズバンッ!
『ストライク!』
(成程……。ユイさんに負けず劣らずのノビですね。初見で早川さんの球を打つのは一苦労ですが……)
朱里さんの球にピクリとも反応がありませんでしたね。恐らく次で打ってくるでしょう。2球目は1球目と逆のコースへと構えます。
(アメリカ代表の勝利の為にも、ここは打たせてもらいますよ)
カンッ!
ロジャーさんの放つ鋭い打球はサード正面のライナー。しかしこの局面はロジャーさんの十八番の『グラブ飛ばし』を仕掛けるでしょう。
「わっ!?」
捕球を試みようとしていた朝日さんのグラブがそのままレフト方向へと飛んでいきます。落ちれば二塁打ですね……。
バシッ!
「よっ……と」
『アウト!』
しかしいずみさんのカバーによってアウトとなりました。
「あ、ありがとうございます!」
「良いの良いの。気にしないで☆」
実際にこのアウトは大きいですね。お陰でランナーなしの状態にて上杉さんに挑めます。
「上杉さんとの3度目の勝負ですが……。念の為に聞いておきます。どうしますか?」
十中八九勝負でしょうが、万が一に備えて朱里さんに方針を尋ねます。
「……もちろん勝負だよ。ここで上杉さんとの勝負を避けても、ピンチが広がるだけだからね」
まぁ流石に私も歩かせるのは反対ですね。上杉さんの後にはウィラードさんも控えていますから。
「そうですか……。では勝利を目指して投げてきてください」
「当然……!」
(朱里さんに疲れが見え始めていますね……。本来ならまだ2、3イニングは大丈夫の筈ですが、アメリカ代表の選手達は皆威圧感があります。その圧の中で朱里さんは全力で投げ続けている影響でしょうね)
威圧感打者と相対すると、多くのスタミナを持っていかれます。朱里さんはただでさえスタミナ不足が露呈しているので、この局面は相当キツいでしょう。
(特に上杉さんとの勝負に油断を見せたら確実に負ける……!個々は抑えてみせる!)
(早川さんには2打席連続でやられている……。それにアメリカ代表は負けているし、絶対にホームランを打って同点にしてみせる!)
朱里さんと上杉さん……。2人の様子を見るに、初球勝負ですね。
(行くぞ上杉真深……!私の全力の球を打てるものなら……打ってみろ!)
(早川さんのこの球は1打席目とも、2打席目とも違う……。疲れているように見えて、まだまだ勢いを増していくのね)
朱里さんの投げた球は間違いなく今日1番のストレートでしょう。
(……でも、ここで負ける訳にはいかないのよ!)
しかし上杉さんはこの最高の球を待っていたのか……。
カキーン!!
タイミング完璧に捉えました。
「ライト!!」
ライトの夜子さんはフェンスに登り、センターの夕香さんはあの時のウィラードさんの打球を思い出し、夜子さんのカバーに入っています。
(届け……!ここで同点にされる訳には……っ!!)
朱里さんは願っています。夜子さんが打球を捕る事を。しかし夜子さんの跳躍も空しく、打球はそのままスタンドへと入っていきました。
(そうか……。私は打たれたのか……)
結果としては同点ホームラン。しかしまだ逆転去れた訳ではありません。朱里さんの意識次第ではまだリカバー出来る範囲内です。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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