7回表……。ここで勝ち越し出来なければ、私達日本代表が負ける可能性がかなり高いでしょう。
(朱里さんでなければ、下位打線とはいえアメリカ代表の打線を抑えるのは厳しい……。そして朱里さんは延長戦を投げ抜く体力が残っていないのですから)
他の投手陣ではよしんば下位打線を誤魔化せたとしても、上位打線を相手に崩される事でしょう。
「……代打よ」
ここで監督が動きますか……。この回は6番から始まります。次の打者が朱里さんなので、ランナー出塁を確実にしたいのでしょう。そうなるとここで出て来るのは……。
「あとお願いします」
「任せるでござる。ニンニン!」
静華さんしかありえませんね。他の打者では確実性に欠けますからね。その点で静華さんなら三森3姉妹以上の走力と不意を突く打撃で出塁を確実にするでしょうから……。
「まぁなるべく粘って朱里殿の力になるでござるよ」
「……ありがとう」
静華さんはああ言っていますが、初球で決めるでしょう。
(凄く奇抜な選手ね……)
(どんな相手だろうと関係ない。全力で捩じ伏せるぞ!)
(当然!)
対するアメリカ代表のバッテリーからは油断の色が見受けられません。まぁここで出て来る打者程に警戒しなければならない事態もないでしょう。
コンッ。
(しかしそれでも静華さんは確実に決めてくるでしょう)
静華さんは初球からバント。その打球は力なく投手の方へと転がっていきます。いきなりの事で敵味方全員が硬直していますね。
(……っと!?早く打球を処理しなきゃ!)
いち早く立て直したウィラードさんですが、静華さんがその一瞬を見逃さない訳がありません。
(忍は一瞬の隙を見逃さないでござる。ニンニン♪)
(は、速い!?)
『セーフ!』
当然の如く、静華さんはセーフティバントを決めました。ノーアウト一塁のチャンスです。
「……朱里殿。拙者の出来る事はやったでござる」
そしてバトンは静華さんから朱里さんへと繋がりました。この朱里さんの打席で日本代表の勝敗が決まると言っても過言ではないでしょう。
「……ありがとう。私が絶対にホームに還すからね」
「なに、朱里殿が最低でも外野前に飛ばせば、拙者がホームまで還れるでござるよ!」
静華さんのその発言は決して大袈裟なものではないのが、またなんとも言えないところですね。少なくとも二盗を決めれば、エンドランで静華さんがホームに還ってきて勝ち越しになるのは間違いないでしょう。
(しかし朱里さんはきっとウィラードさんを打つでしょう)
前の打席でその片鱗は見え隠れしていましたからね。この打席の朱里さんを期待しましょうか。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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