最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 世界大会編64

二宮瑞希です。シニアリーグの世界大会は私達日本代表の優勝により、幕を閉じました。最高の結果ですね。

 

「…………」

 

最大の功労者である朱里さんは脱力感に苛まれ、夜空を見上げていました。無理もないですね。今の朱里さんは限界ギリギリなのですから……。

 

「終わった……」

 

「お疲れ様です」

 

そんな朱里さんに肩を貸して、朱里さんは私の肩に掴まります。

 

「ほ、本当にアタシ達勝ったんだよね?夢じゃないんだよね!?」

 

「う、うん。私達は勝ったんだよ……!」

 

「勝てて良かった……という気持ちと、朱里に頼りっぱなしな側面を複雑に思う気持ちが入り交じっているが、とりあえずは終わったんだ……」

 

いずみさん、和奈さん、亮子さんがそれぞれ世界大会が終わった……という気持ちを吐露しています。私の心情としては亮子さんのものに近いでしょうか?

 

「まだ整列が残っていますよ。行きましょう」

 

「そう……だね」

 

他の面々は勝利の喜びに浸る人達と、敗北の悔しさを噛み締めるで別れています。勝者と敗者の違いですね。

 

「早川さん」

 

朱里さんを呼ぶのは上杉さんとウィラードさんです。今のアメリカ代表にとって1番縁のある2人でしょう。

 

「良い……試合だったわ。ナイスピッチング」

 

「……こちらこそ、最高の試合が出来たよ。ウィラードさんもナイスピッチング」

 

朱里さんとウィラードさんは互いを褒め称えます。確かにここ数年の世界大会の中でも1番のピッチング内容だったでしょう。

 

「お疲れ様。早川さんが最後に私に投げたストレート……。あれが日本代表の勢いを付けたのね」

 

朱里さんの覚醒の切欠は正しくそうですね。そういった意味では上杉さんのホームランがトリガーとなりました。 

 

「そんな事はないよ。上杉さんには結局打たれちゃったしね……」

 

しかしそれでも朱里さんは上杉さんに対しては勝ったと思っていません。アメリカ代表に取られた2点は朱里さんが投げた時でしたし、その2点はどちらも上杉さんと対決した時……。対上杉さんの成績は完全敗北だと思っているでしょう。

 

「けれど後続の打者はしっかりと抑えてみせた……」

 

「それに真深とアリア以外は私も含めて全員三振だったのよ?同じ投手としても見習いたいくらいのピッチングだったわ。それに私だって最後に早川さんにはホームランを打たれたし……」

 

上杉さんとロジャーさん以外は全員三振だったので、投球内容としては及第点以上でしょう。そして朱里さんは打撃方面でもウィラードさんに対して2安打1本塁打2打点です。ウィラードさんを相手にここまで打てる打者はそういないでしょう。

 

「良かったら教えてくれる?何故私のストレートをあそこまで完璧に打つ事が出来たの?余りにもタイミングが完璧過ぎて、打たれた悔しさよりもそこの疑問の方が大きいわ」

 

「何故って言われてもね……。まぁ理由を私なりに考えるともしかして……」

 

朱里さんがウィラードさんを打てた理由……。それは恐らく瓜二つのフォームでしょうね。朱里さんは自身をウィラードさんと投影させる事で、タイミングを合わせる事が出来たのでしょう。

 

(それは決して簡単に出来るものではなく、完全に紛れ当たりなのは朱里さんもわかっているでしょう)

 

「もしかして?」

 

「……いや、なんでもないよ」

 

「ええっ?」

 

「その理由はまた……次の機会になるかな」

 

朱里さんなりに答えを考えるのでしょう。だからこの場では言いませんでした。次に会うその時までに投影を完璧なものに仕上げるか、別の方法でウィラードさんを打てるようになるその時までに……。 

 

「……そう。ならその時を楽しみにしてるわね」

 

ウィラードさんもそれに納得したのか、去って行きました。

 

「……私もユイを追い掛けるわ。また、会いましょう?」

 

「そうだね。次があれば、今度こそ抑え切ってみせるよ」

 

「私の方こそ、今度は早川さんを打ち砕いてみせるわ」

 

上杉さんも、朱里さんと二言三言話してウィラードさんを追い掛けて行きました。2人は完全に朱里さんをライバル視していますね……。

 

(何はともあれ、これでシニアリーグの世界大会は終わりましたね)

 

白糸台に戻れば後輩の体験入部等がありますし、これから忙しくなりますね……。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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