二宮瑞希です。部室……ではなく、コンピュータールームにて他校に入った1年生のデータを調べています。渡邉さんと斎藤さんにとって3年間ライバルになる選手で特に要注意なのは……。
(やはり新越谷……ですね。歩美さんと藍さんが新越谷へと進学しているのに加えて、シニアリーグの世界大会で相見えた陽春星さんもいるようです)
朱里さんの家にホームステイする……というのは茜さんから訊いたのですが、具体的な理由まではわかりませんね。朱里さんへのリベンジとしてでしょうか?
「二宮先輩から見て、1番有力な高校はどこでしょうか?」
データ解析をしていると、渡邉さんから質問がきました。私目線での有力候補ですか……。
「警戒すべき高校は沢山ありますが、特に新越谷でしょうか?去年の夏に負けていますので……」
「新越谷……!」
渡邉さんにとって新越谷は本来進学予定だった高校……。中学時代の先輩である武田さんもいますし、本当は新越谷に進学したかったのでしょう。
「……渡邉さんは新越谷に未練があるのですか?」
「……ない、と言えば嘘になります。現にギリギリまで返答が遅れてしまったのも事実ですし……」
紗菜さんからも訊いていましたね。期限のギリギリまで悩んでいた……と。
「でも後悔はしていません。全国屈指の名門校の白糸台へスカウトされたのは誇るべき事ですし、何より……」
「何より……?」
「……いえ、なんでもありません」
渡邉さんが言葉を濁して誤魔化しましたが、無理に聞き出す必要もないでしょう。進学の理由は人それぞれなのですから。
(私が白糸台に進学した本当の理由。それは二宮先輩のようになりたいから……。二宮先輩の2手3手先を読むリード、幅広い分析能力、高校1年生時代の捕逸0という圧倒的な捕球力……。これ等も魅力的だけど、1番参考にしたいのは二宮先輩の最早執念と言っても過言ではない情報収集能力。二宮先輩に着いて行けば、きっとその一辺が見られる筈……!盗んでみせますよ。二宮先輩)
そして渡邉さんから熱い視線を感じます。私から何かを得ようとしている……というのが、伝わってきますね。
「…………」
そして積極的にデータ解析を手伝ってくれている渡邉さんとは対極に、斎藤さんはどこか退屈そうにしていました。
「……進んでいますか?斎藤さん」
「……はい。二宮先輩に言われた、私が過去に対戦した事がある選手のデータを渡します」
そう言って斎藤さんが渡してきたデータ表の1番上は、斎藤さんがガールズ時代に対戦した江川さんですね。
(そんな斎藤さんはガールズ時代に江川さんにこれでもかと言うくらいに打たれていますね。例の一発病でしょうか?)
「…………」
しかし将来白糸台のエースになろうとする選手なら、一発病というマイナス部分は必ず治してもらいますよ……?
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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