最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 2年目春⑧

二宮瑞希です。データ解析も今日の分が終わりましたので、自主練に赴きます。ちなみに渡邉さんと斎藤さんはそれぞれバッテリー練習に行きました。

 

「あっ。瑞希ちゃん、お疲れ様」

 

「お疲れ様です」

 

グラウンドに出ると、香菜さんがいち早く気付いてこちらに駆け寄ってきます。まるで子犬ですね。

 

「そういえばもう1人の1年生の様子はどうですか?」

 

渡邉さんと斎藤さんばかりを注視してましたが、あと1人いるんですよね。暫定1軍を勝ち取った1年生が……。

 

「新宮寺さん?あの子は凄いと思うよ。野球未経験で1軍に入っただけでも凄いのに、フィジカルも白糸台の中でもトップクラス……。あの子って確か瑞希ちゃんがスカウトしたんだよね?」

 

「そうですね」

 

天王寺さんを見習うべく、野球未経験者でも素質のある人を見ていこうという事でしたが……。今練習に励んでいる新宮寺真さんは中学時代に3つの運動部を掛け持ちして、全てトップクラスの成績を残したフィジカルエリートです。

 

(3つの部活に散らしてもトップクラスの成績を残していましたが、それを1つに絞ると……という話を新宮寺さんとしましたね)

 

スカウト時は新宮寺さんが野球未経験だった事もあり、かなり興味を持って白糸台への進学を前向きに検討していました。そして今現在1軍として練習に励んでいる訳ですが……。

 

「打って良し、守って良し、オマケに投手としての才能も結構あると思うんだよね」

 

「そうですか……」

 

「あくまで私目線だから何とも言えないし、瑞希ちゃんに見てもらおうと思って……」

 

香菜さんは本職の投手なので、そんな香菜さんの見解は間違ってないと思うのですが……。

 

「……わかりました。新宮寺さんのところに行きましょうか」

 

「うん。ありがとう!」

 

(まぁ私自身新宮寺さんの才能を改めてこの目で見ておきたかったですし、丁度良いでしょう)

 

そんな訳で投げ込みをしている新宮寺さんに声を掛けます。

 

「お疲れ様です」

 

「あっ!お疲れ様です!」

 

「調子はどうですか?」

 

「手応えはあると思うんですけど、本職の投手まではあと2歩くらいかな……って思ってます!」

 

これまでの練習を見る限り、新宮寺さんはオールラウンダーですからね。どちらかと言えば野手として使いたいでしょう。守備範囲も広いですし、外野手としてなら即戦力です。

 

「新宮寺さんのピッチングを見てほしい……と香菜さんからのご指摘がありますので、今から新宮寺さんのピッチングを見ようと思います。良いですか?」

 

「……はい!よろしくお願いします!」

 

(折角なので、渡邉さんと斎藤さんを連れて新宮寺さんのピッチングを見てもらいましょうか)

 

同じ1年生同士なら発破を掛ける意味でも、今後のモチベーション的にも、新宮寺さんの実力を改めて目の当たりにさせるのも一考ですしね。

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