瑞希「元気が良いですね。なにか良い事でもあったんですか?」
香菜「それはこれからわかるよ!」
瑞希「それではスタートです」
二宮瑞希です。今日から所謂GWシーズンに入りました。白糸台高校もそれぞれ活気で賑わっている事でしょう。
(……と思ったのですが、どうも妙な空気を感じますね)
「大変!大変だよ!」
「鋼さん?どうしたのですか?」
「2軍に乱入者が現れたんだって!」
乱入者……という言葉は今日日聞きませんが……。
「その乱入者……というのは?」
「休み前に転校してきた子だよ。なんか道場破りみたいな事をしてるみたい!」
休み前に転校してきた……?確かアメリカからの転校生で話題になっていましたね。
「とにかく行ってみようよ!」
「構いませんよ」
触らぬ神に祟りなしですが、実力があるのなら今後の為にも見ておいた方が良いでしょう。
カキーン!!
「はっはーっ!2年連続で全国制覇をしたシライトダイの投手も大した事ないデース!」
2軍のグラウンドに行くとそこには金髪碧眼で、如何にも日本語覚えたてな口調の女性がいました。
(こういうのはフィクションの世界にしかないものばかりだと思っていましたが、現実で見られるとは思いませんでしたね)
少し感心していると2軍のグラウンドに足を運んでいた神童さんがこちらに来ました。
「二宮に鋼か。良いタイミングで来てくれたな。そこのバッターボックスで威張っている彼女を紹介しようと思っていたんだ」
道場破りという話なのに、偉く冷静ですね……。
「彼女はテナー・バンガード。アメリカからの留学生だ」
「白糸台も留学生という枠組みを採用しているんですね」
「数年ぶりだそうだ」
「な、なんで瑞希ちゃんも神童先輩もそんなに冷静なんだろう……」
私や神童さんの分も鋼さんや他の人が慌てていたら落ち着きを取り戻せるでしょう。それと同じですね。
(尤も神童さんはこの状況を想定していた気もしますが……)
「ヘイ!そろそろワタシを1軍に上げてくだサーイ!」
「ふむ……。実力はわかったが、人間性に少し問題あるな。とはいえ実力の方も今の君だと精々2軍レベルだな」
「なにを言ってるデスか!今ワタシが打ったのは時期1軍候補と言ってた人!つまりワタシは1軍レベルデース!」
「……それなら今来た2人と対戦してもらおうか」
「今来た2人?それはそこのリトルガールデスか?」
リ、リトルガールというのはもしかしなくても私の事ですか?
「君の言うリトルガールは私が認めた優秀な捕手でね。その隣にいる鋼が君の相手となる投手だ」
あっ、やはり私の事なんですね。川越シニアにいた頃に和奈さんと私の事をちびっコンビと揶揄した男子がいたのを思い出してしまいました。
「えっ?私が投げるんですか!?私まだ3軍ですよ!?」
「はっはー!2軍にすら届かない投手でワタシを抑えるなんて笑止千万デース!」
今の鋼さんの実力は他校ではエースに並ぶレベルだとは思いますが、この白糸台ではどのくらいの実力に位置されるのかも興味深いですね。
「3軍投手である鋼を打ったところでバンガードにはメリットがないだろうから、鋼から打つ事が出来たら君を1軍に昇格させよう」
「3軍から打つだけで1軍昇格とは……。こちらからすればありがたい限りデース!」
「鋼はバンガードを打ち取れたら2軍に昇格だ。頑張ってくれ」
「わ、わかりました……」
鋼さんとバンガードさんとの対戦ですか……。
「二宮、マスクを被ってくれ」
「私が捕手を務めても良いんですか?」
「おまえの優秀さを彼女にわからせる良い機会だからな。……おい、他の奴等は練習に戻れ。2軍の皆は今日のところは1軍のグラウンドを使うように」
『はいっ!』
神童さんの人払いも済ませて鋼さんとバンガードさんの1打席勝負となりました。
「み、瑞希ちゃん、どうしようか……」
「鋼さんの持ち球を駆使すればこの打席に限っては彼女に勝てるでしょう」
右打席で空を切るスイングをしているバンガードさんを見て彼女の特徴と改善点を予測してみましょう。
(和奈さんのようなスラッガータイプですね。長身なのを利用して低めに攻めてみましょうか)
鋼さんの肩を作り終えたので、勝負開始となります。
(投球練習を見る限りストレートは速いけど、それだけデスね。サクッと打って1軍デビューデース!)
(わ、私が打ち取れるのかな……)
1球目は低めにストレート。
ズバンッ!
『ストライク!』
ちなみに審判は神童さんがやっています。
(見送りましたか……。次の2球目で勝負の分かれ目となるでしょう)
今度は高めにストレートを要求。
カキーン!!
「はっはー!」
(中々に豪快なスイングですね。アメリカでもかなり上位のスラッガーなんでしょうね)
バンガードさんの守備方面はまだわかりませんが、これくらいならもっと手強い打者はいくらでもいます。
『ファール!』
(あ、危なかったぁ……)
「次で決めマース!」
さて、チェックメイトといきましょう。
(瑞希ちゃんはここで渾身のストレートで決めろって言ってた。本当にこれでバンガードさんを抑えられるかはわからないけど、私は瑞希ちゃんを、捕手を信じるよ!)
鋼さんの投げる3球目。これまでと同じストレートですが……。
(なっ!?)
これまでのストレートとは違って鋼さん渾身のストレート。バンガードさんの1球目と2球目の様子を見る限りだとこれで打ち取れる……と確信が取れました。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
「う、打ち取れた……」
「そ、そんな……」
なんとか三振させる事が出来ましたね。ですが次があれば同じようにはいかないでしょう。
(その辺りも鋼さんの今後の課題として考えるのも良いですね)
「さて、バンガードもわかっただろう。アメリカでどのような活躍をしていたのかは私は知らないが、君が井の中の蛙だと言う事がね」
「…………!」
「それがわかったのなら、1軍昇格の為に精進してくれ。鋼も今から2軍に昇格だ」
「は、はいっ!ありがとうございます!」
鋼さんも2軍昇格を決めれて良かったですね。私はそろそろ寮に戻って……。
「ちょっと待ってくだサーイ!」
「なんでしょうか?」
バンガードさんに呼び止められました。
「な、名前を……聞いても良いデスか?」
「二宮瑞希です」
「ミズキさんデスね!貴女の偉大さが伝わりマシた……。貴女の意表を突いたリードにワタシは感服しました!」
そんなに特別な事はしていませんけどね。いつも通りのリードだと思いますが……。
「これからは貴女に着いてこれるように頑張りマース!見ていてくだサーイ!」
そう言ってバンガードさんは走って行きました。なんと言いますか……。
「嵐のような人だったね」
本当にそうですね。
香菜「という事で私が2軍に昇格した話でした!」
瑞希「それにしても濃いキャラが出てきましたね……」
香菜「バンガードさんはこれから瑞希ちゃんに凄く懐くよ!」
瑞希「お守りの対象が増えただけでは……?」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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