最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 2年目春⑭

カンッ!

 

 

新宮寺さんのホームランで動揺しているのか、5番の鍋墨さんにもヒットを打たれます。このまま試合を壊してしまうような展開にはなりませんよね……?

 

「タイムお願いします!」

 

ここで宮永さんがタイムを掛けます。

 

「これまでは夢乃の思う通りにやらせてみたが、これ以上は難しそうだと判断した……か?」

 

「真意はわかりかねますが、その可能性はあるでしょうね」

 

捕手としての宮永さんはかなり未知数なので、どういうリードを取るかはまだ判断し難いですね。

 

(まぁまだ1回ですし、結論に至るのは早計でしょう)

 

考えている内に、タイムが終わりました。こちらは6番の斎藤さんが打席に立ちます。

 

「…………」

 

「…………!」

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

斎藤さんに対して、先程までとは比べ物にならないストレートが放たれました。

 

「えっ……?」

 

「い、いきなり良い球を投げるようになったな……」

 

「しかもそれだけではありません。僅かながらに、螺旋回転が掛かっています」

 

「まさかジャイロボールか……?」

 

「まだジャイロボールと呼ぶにはお粗末ですが、ストレートのキレが格段に上がったのも事実です」

 

夢乃さんは新越谷の川口さんと同様に、コピーが得意な投手になりますね。尤も夢乃さん本人は半分無自覚な部分もありますが……。

 

 

ガッ……!

 

 

『ファール!』

 

2球目は詰まらせてファール。今の球に螺旋回転は掛かっていませんが、球のキレは上がっています。侮れませんね。

 

 

カンッ!

 

 

しかし斎藤さんも負けじと打ってきます。打球はセカンド正面のライナーですか……。

 

「…………!」

 

今の鏑木さんの表情は……。

 

「……!不味い!鍋墨!いそいで進塁しろ!」

 

「……っ!」

 

新井さんの掛け声よりほんの少し早く鍋墨さんは動きましたが……。

 

 

ポロッ!

 

 

鏑木さんが打球を落とし、素早くベースカバーに入ったショートへと送球。

 

『アウト!』

 

そしてショートの刀条さんがファーストへ送球し……。

 

『アウト!』

 

併殺となりました。今のは清澄がよくやっている動きの1つですね。

 

「す、すみません……」

 

「併殺になったのはこの際仕方がない。問題なのは、斎藤が打ったライナーを向こうに利用された事だ」

 

「利用……ですか?」

 

「ああ。清澄高校はランナーが溜まったら、簡単なライナーやフライをわざと弾いて強引に併殺を取りに行くんだ」

 

「じゃ、じゃあそれを読んでランナーは動く必要があるって事ですか?」

 

新宮寺さんが対策を尋ねますが、事はそう簡単ではないでしょう。

 

「そう簡単な事でもないと思うよ」

 

「そうだね。清澄側はその動きを逆手に、普通に打球を処理する可能性があるからね……」

 

鍋墨さんが訂正し、渡邉さんが説明しました。この2人は状況をよく見ていますね。1年生の中心になるのは、恐らくこの2人となる事でしょう。

 

「今渡邉が言ったように、対策は決して簡単じゃない。ひとまずセンターラインに打球を飛ばさない容認注意して打て!」

 

『はいっ!!』

 

清澄の守備に関しては、これである程度対策が出来るでしょう。

 

(問題は夢乃さんのコピーですが……)

 

色々見てきた天王寺さんが残したデータを参考に、色々と仕込まれている可能性が高いですね。まぁ見てからの対応で間に合うでしょう。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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