二宮瑞希です。ジャージに着替えて、次の練習メニューに入ります。
「この練習メニューが終われば、野球の練習に入るぞ。気張れ!」
『は、はいっ!!』
野球の練習とわかると目の色を変えている人が何人かいますね。ここまで常軌を逸したものばかりだったからでしょうか?
(バンガードさんの話によれば、メニューSの人達は大きな若竹の葉を全て散らすように素振り……でしたか。和奈さんもやっているであろうメニューも中々に非常識です)
「……それで諸君にはこれ等を運んでもらう。野球の練習をする野球場までな」
大量の丸太をロープで括られたものを野球場まで運ぶそうです。
「これを運ぶって……相当重そう」
「でもこれが終わったらいよいよ本格的に野球の練習が出来ます。頑張りましょう」
「よーし!頑張って運ぶぞ~!」
約数名張り切っていますがこの島での非常識を考えると、普通には運べないのでしょうね。
「待て。誰が手で運べと言った?」
『えっ!?』
この場にいるほぼ全員がポカンとしています。普通に考えれば手を使って運ぶと思うので、無理もありません。
「そこの3人を見本に運べ」
社長が指す方向には四つん這いになって、背中に大量の丸太を括り付けています。その光景は宛ら輓馬の如しです。
「こ、これで運ぶんですか……?」
輓馬のような光景に驚愕と困惑が入り交じります。ちょっと現状と現実を受け入れ難い光景ですので、気持ちはわかります。
「夜子の料理を食べた私達は無敵よ。今ならなんだって出来るわ」
「そうだね。夜子の料理を食べて力倍増よ!」
「姉さん達は大袈裟……。あれくらいなら家でも毎日作ってるから」
「何を言ってるの。夜子の料理は日々成長してる……。今日の朝に食べたトーストも絶品だったわ」
「そうそう。夜子はもっと自信持って料理してよね!美園学園野球部の皆も夜子の料理に中毒になってるんだから」
「それも大袈裟……。でも私の料理を美味しく食べてくれる皆を見てると、もっと美味しい料理を作りたくなる」
三森3姉妹の気の抜けた会話をBGMにして、私達も覚悟を決めましょう。
「……話を戻して、これが第2の練習メニューだ。名付けて人間輓馬だ!」
三森3姉妹を見習おうとすると、シュールになる事間違いなしですね。自分のペースで行きましょう。
「ロープが食い込むし、丸太が重い……!」
「言っておくが、これでもまだ優しい方だ。貴様達が男だったらこれの倍以上はキツい練習メニューが待っていたぞ?良かったな。女として生まれて」
男性に生まれていたら、多分何人かはリタイアしていたでしょうね。女性で良かったです。
「ふんぬーっ!」
「気合いで切り抜けるわよ。前回と同じように」
「他の人に比べたら私達と清本和奈はまだ慣れてるけど、この人間輓馬は結構キツい……」
先頭は三森3姉妹。慣れているのか、かなりのスピードで這っています。
「…………」
その後方に夢城さんが黙々と着いて行っています。上杉さんとウィラードさんもほぼ近くにいますね。遠前高校代表は適応力がかなり高いです。
ちなみに和奈さんは遅れている人がいないかの確認の為に、最後尾にいます。
そして約1時間這いずり回り、ようやく……。
『つ、着いたーっ!!』
野球場へと到着しました。少し疲れましたね。
「よくぞここまで来たな。少し休んでから、練習……。そして昼休憩が終われば……貴様達の今の実力を見てやろう」
しかし思った以上にちゃんとした野球場ですね。普通に試合も出来そうです。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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