瑞希「続きですね」
二宮瑞希です。本日は新越谷高校と柳川大附属川越高校の練習試合に足を運んでいます。 更に私の通っている白糸台高校野球部のキャプテンを務めている神童さんが私の試合観戦に同行してくれました。付き合わせてもらったみたいで、申し訳なく感じてしまいますね。
「お、柳大川越の先発は大野か」
「柳大川越のエース投手を務めている選手ですね」
実は私と朱里さんの中学の先輩なのですが、顔合わせは1度もありませんでしたね。朱里さんの方は大野さんに会った事があるのでしょうか……?
「大野の右から放たれるクロスファイヤーがかなり厄介で、3月に練習試合をした時も苦戦させられたな」
「白糸台の打線は相当なレベルではありますが、それでも苦戦させられる投手……という訳ですね」
それでも苦戦するのは序盤だけでしょうが……。
カンッ!
「なにーっ!?」
「あらら……。大野の奴、油断していたな」
「三塁打を打たれましたね」
格下と侮ったのか、ただ単に立ち上がりが悪いのか……。後者でしょうか?
「だが油断していたとはいえ、大野の球を打ったあの左打者はレベルが高いな」
「彼女は福岡にある箱崎松陽中学出身の中村希さんですね。シュアな打撃とミートに長けているアベレージで1番打者に選ばれるタイプの選手です」
「二宮の情報網は福岡にまで網を張っているのか?」
「一応日本全国の中学、高校とアメリカの有力な選手の洗い出しは済ませています」
「……おまえが1軍練習の参加回数が少ない理由がわかった気がするよ」
1軍の練習が自由参加と聞いてからの私は、ずっと情報収集に勤しんでいましたからね。まだもう少し時間が掛かりそうですが、流石にそろそろ本格的に練習した方が良いですね。
その後2番の藤田さんが犠牲フライ、3番の山崎さんが死球、4番の岡田さんが二塁打と、大野さんは1点を取られた上に連打を許します。
「どうやら新越谷は今の大野から取れる内に点を取っていくスタイルで行くみたいだな」
「良い判断ですね。立ち直った大野さんから点が取れる可能性は低そうですし」
「それに柳大川越の投手は大野だけじゃないしな」
「そうですね……」
柳大川越には大野さんの他にもう1人……全国級の投手がいます。今のところ姿が見えていませんが……。
カンッ!
6番の川崎さんが打った球はふらふらと力なく飛んでいますが、野手と野手の間に落ちてヒット。新越谷は追加で2点取りました。
「良い流れだな」
「このまま新越谷のペースになれば良いのですが、そう簡単にはいかないでしょう」
先程塁に出た川崎さんが盗塁を試みるも、浅井さんの強肩によって二盗を阻止しました。そしてツーアウトとなり、大野さんが後続を三振に仕留めます。
「浅井の肩は流石だな。生半可な盗塁を許さない」
「それに大野さんを上手く立ち直らせましたね」
捕手として必要な能力もしっかりと兼ね備えていますね。こういう部分は参考になります。
「柳大でも4番を打っているし、良い選手だよ浅井は。……それよりも、おまえの目的の選手はスタメンにいないみたいだな」
「……朱里さんがスタメンにいないという事は指揮官を担当しているのでしょう。シニアでも朱里さんが投げない時は監督に変わって選手達を動かしていましたから」
あとは私も時々指示出しに参加していました。なので川越シニアには実質監督が3人いる事になりますね。
「それは凄いな……。そんな凄い奴がこの試合投げる可能性はあるのか?」
「それは新越谷の投手次第でしょう。武田さんという投手、見た事がないので無名で間違いありませんが、何かありますね」
武田さんの出身中学の野球部のデータをみれば、多少は出て来るでしょう。帰ったら調べてみますか。
「シニア最強の投手と言われた彼女よりも上だとは考えにくいが……」
「それはこの回でわかるでしょう」
(武田詠深……。マウンドにいるという事は朱里さんの目に敵った実力を持っている筈)
「見せてもらいますよ。朱里さんが認めた投手の実力を……」
恐らく武田さんは新越谷のWエースを担う可能性が高いでしょう。今の内にそのポテンシャルを見せてもらいます。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
-
見たい
-
見たくない