最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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朱里「どうやら作者はしばらくこの番外編を投稿するみたいだね」

瑞希「まぁこの試合観戦の下りに関しては本編の展開に私と神童さんの会話を付け加えているだけですからね。その後の話はまだ未定だそうです」

朱里「それで大丈夫なのか作者……」


番外編 二宮瑞希の白糸台生活 試合観戦編③

1回裏の柳大川越の攻撃ですが、武田さんの投げる変化球に翻弄されて思うように打てていないみたいですね。流石は朱里さんが選んだ投手……という事でしょうか。

 

「あの柳大川越が三者凡退か……。武田はかなり良い投手だな」

 

神童さんから見ても武田さんのピッチングは高得点のようです。ですが……。 

 

「武田さんが優れているのもありますが、大元はあの捕手でしょう。彼女は美南ガールズでかなり活躍していました」

 

「美南ガールズか……。最終的な正捕手は別の奴だったな?」

 

武田さんの球を捕っている山崎さんはガールズチームで全国経験のある捕手……。先程の中村さんと武田さん、そして荻島ガールズ出身の岡田さんを合わせて新越谷野球部はかなりの力があるチームだという事がわかりました。 

 

「当時の美南の監督は打力のある方を使ったのでしょう。打力以外なら山崎さんの方が捕手としてのスペックは上回っています」

 

「そうだな……。私から見ても山崎が良い捕手なのがわかる。だがこれまで野球をやっていた中で二宮以上の捕手を私は知らないな」

 

「……買い被りですよ」

 

(照れてるな……)

 

不意に飛んできた言葉に顔が熱で帯びていくのが伝わってきました。こういう何の裏もない言葉で褒められる事には慣れていないので、どうも上手く対応が出来ませんね……。

 

「それで……どうだ?二宮から見た新越谷の実力は?」

 

「武田さんの球が初見とはいえ秋に県ベスト8まで勝ち進んだ柳大川越の打線を抑えられていますし、守備方面も一部を除いて鍛えられています。それに加えて武田さん、山崎さん、中村さん、岡田さんのような全国区レベルやその手前レベルの選手が揃っている事も踏まえて……県ベスト16前後ですね」

 

「県ベスト16か……」

 

「あくまでも現状は……です。新越谷野球部は今後凄い速度で成長していくでしょうし、もしかしたらこの夏中には私達白糸台と相見える可能性もあるでしょう」

 

「……その言葉が真実だとするなら、私の高校最後の夏は高校野球史上1番面白い事になりそうだな」

 

「…………」

 

ふと神童さんを見てみると、獰猛な笑みを浮かべていました。私の言った可能性の話でここまでの表情をするとは……。もしもそれが実現したら、神童さんはまだまだ大きく成長し、その切欠があの新越谷高校野球部となるのでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2回表。新越谷の攻撃は7番から始まるのですが、二者連続で凡退。9番打者が打席に入りますが……。

 

「彼女は……」

 

「あの選手も知っているのか?」

 

「はい。彼女は雷轟遥……。朱里さんが気にしている選手で1歩違えば、私達の未来が大きく変わっていたかも知れない……。そんな選手です」

 

雷轟さんは朱里さんが時々練習に付き添っていて、朱里さんの話によると、和奈さんにも負けないスラッガーになる可能性を秘めている……との事。もしも彼女が川越シニアに入ってきていたら、和奈さんにとって大きな刺激になっていたのかも知れませんね。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

「カウントはツーナッシング……。追い込まれたな」

 

「ですがバットを振っていないのが気になりますね」

 

「素人という話だし、手が出なかった可能性もあるが……」

 

「その可能性は切っても良いでしょう。雷轟さんの構えから隙を感じません」

 

そして3球目。雷轟さんからはスイングの気配を感じませんが……。

 

 

カキーン!!

 

 

グラウンドのほとんどが見逃すと思っていた1球……。それに対して雷轟さんは超スピードでスイングしてバットに当てました。

 

『ファール!』

 

「ファールにはなったものの、これはとんでもないな。打球を場外まで飛ばしたのも大したものだが……」

 

「それ以上に雷轟さんのスイングスピードが厄介ですね。ボールをギリギリまで見極めて、打つ……。並の打者ならシングルヒットですが、彼女の桁外れのパワーがホームラン性の打球に仕上げています」

 

和奈さんの打撃を彷彿とさせるスイングでした。朱里さんによる仕込みがあるとはいえ、これで素人というのが可笑しな話ですね。

 

『ボール!』

 

「……どうやらバッテリーは雷轟を歩かせる選択を取ったようだな」

 

「それは仕方のない事でしょう。これ以上点差が離れると、柳大川越側は致命的になりかねないですからね」

 

(尤もそれこそが朱里さんの狙い……かも知れませんが)

 

『ボール!フォアボール!!』

 

朱里さんはこういう大きな結果よりも、副産物的な結果の方も重視する傾向にあります。要は極小の勝ち筋も逃さない慧眼の持ち主です。

 

「しかし後続はランナーを還し切れず……か。柳大川越は元々守備重視のチームだし、藤田が取られたアウトはまさにパターンに入っていたな」

 

「こうなってくると、新越谷は追加点が望めませんね」

 

3点のリードを死守する事が出来るか……。今後の展開が楽しみです。おや?朱里さんと目が合いましたね。

 

「……どうやら私達が来た事に朱里さんは気付いていたみたいですね」

 

「まぁ学校のグラウンドだしな。しかしよく私達が入れたな?」

 

「それは私の知り合いが偶然にもこの学校にいたので、その人に許可を頼みました」

 

持つべきは人の縁ですね。大切にしていきましょう。

 

「そういえば中学はこの辺りだったか?」

 

「そうですね。朱里さんと同じ仙波中学です」

 

「今投げてる大野も確か仙波出身だったな。という事は一歩間違えていたらおまえと早川は柳大川越に行っていた可能性もあったと……」

 

「……その可能性はありませんよ。新越谷に入ったのは偶然でしょうが、そもそも朱里さんは雷轟さんを大層気に入っているみたいですし、高校は雷轟さんと一緒なら何処でも……といった感じでしょう」

 

朱里さんはともかく実績のない雷轟さんを野球部が歓迎しない可能性まで考慮するのなら、まず強豪の高校には進学しないと思いますしね。

 

「まぁあれだけのバッティングを見たらライバルに回したくないって気持ちはあるかもな……」

 

「それに目を付けた朱里さんは雷轟さんに色々トレーニングをさせていたみたいです。朱里さんは雷轟さんはバッティングが凄いだけの素人だと言っていました」

 

「それはそれで凄いと思うが……。うちに入って来てたら守備次第で4番間違いなしだ」

 

神童さんにそこまで言わせる程の実力者……。バンガードさんも負けてはいられませんね。彼女にとっても雷轟さんは強力なライバルとなるでしょう。しかし……。

 

「そんな雷轟さんを9番……。守備面は余り期待しない方が良さそうですね」

 

「それは未来の雷轟に期待……と言ったところか」

 

「そうなりますね」

 

雷轟さんはあの風薙さんの妹ですし、ポテンシャルはあります。これは朱里さんの目論見通り、最強のスラッガーになる事も想定しないといけませんね……。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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