最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 2年目夏前の出来事③

二宮瑞希です。今私は香菜さんの投球練習に付き合っている訳ですが……。

 

 

ズバンッ!

 

 

「…………」

 

 

ズバンッ!

 

 

「…………」

 

投げている香菜さんを見ていますが、ずっと練習試合と同じような投げ方を繰り返しています。

 

「ど、どうかな?私的にはかなり良い球を投げられるようになったと思うんだけど……」

 

おずおずと訊いてくる香菜さんですが、ここは正直に答えて良いでしょう。

 

「……確かに合宿前とは比べ物にならない球威を身に付けていますね」

 

「ほ、本当に……?」

 

「はい。ストレートも変化球もキレが増しています」

 

それは間違いないのですが……。

 

「今の香菜さんは薪割りで染み付いてしまったのか、上半身で投げています。有り体に言えば下半身が上半身に着いて行っていません」

 

「そ、そうなんだ……。でもそれってまだ伸び代があるって事で良いんだよね?」

 

「そうですね。香菜さんはまだまだ伸び盛りですよ」

 

下半身が屈強な上半身と同じようになれば、間違いなく白糸台のエースになれるでしょう。地獄の合宿の成果とはそれ程に凄まじいものです。

 

「……それにはどうしたら良いの?」

 

「ただひたすらに走り込みですね」

 

ある筋からの情報では大豪月さんが六甲おろしと呼ばれるキツい坂道でひたすらに自転車を漕いでいたとか、三森3姉妹が山を走っていたとかがあります。そこまで非常識な練習を強いる訳ではありませんが、大会やその後にある県対抗総力戦に備えて香菜さんには剛健な下半身を作ってもらう必要があります。

 

「ただし香菜さんが試合で投げる日以外はボールに触る事を一切禁止にします」

 

「えっ……ええっ!?」

 

香菜さんはこれ以上ないくらいに困惑しています。投手の命と言っても過言ではないレベルの相方(ボール)に触れないのは相当に厳しいものでしょう。

 

(しかし非常識な選手達に香菜さんが着いて行くには、それくらいの事をしなければなりません。香菜さんには酷な事をさせてしまいますが……)

 

「……瑞希ちゃんがそう言うんだから、きっと間違いないよね。うん。私、頑張るよ!」

 

少し考えた後に香菜さんは言いました。その瞳には決意の炎が宿っているように見えます。

 

「じゃあ今から走り込んで来るね!」

 

「その前にキチンと柔軟はしておいてくださいね」

 

どんな運動をするにも、その前に準備運動は必要です。そうしなければ急に怪我をしてしまいますからね。

 

(これで間に合うかは、香菜さん次第になりそうですね……)

 

それに香菜さんばかりにかまけている訳にはいきません。もっと白糸台全体を見ていきましょう。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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