二宮瑞希です。いよいよ渡邉さんと共に、陽春星さんの解析をします。
「陽春星……。シニアリーグの世界大会にて、台湾代表の4番打者を務めていた実績がありましたよね?」
「そうですね。生粋のスラッガーで肩も強いです」
「姉の陽秋月さんは昨年まで梁幽館高校にいたみたいですけど、この陽春星さんは新越谷に進学したんですね……」
「その辺りの理由は色々ありそうですね」
小耳に挟んだ情報では、去年の夏大会で新越谷と梁幽館との試合が理由だとか……。それだけではいまいち決め手に欠けるような気もします。
「他に特徴的なのは姉が左利きなのに対して、この陽春星さんは右利き……。更には通常左利きでは出来ないショートをメインに守っています」
「左利きでも守れそうなポジションって結構限られますからね……」
渡邉さんの言う通りで、左利きでも務まるポジションは外野とファーストくらい……。それはまるで左利きが野球に向いてないと言われているみたいに思われそうです。
「このデータによりますと、走塁や守備は姉と比べて劣る……って印象が強いですね」
「それをパワーと肩の強さで補っています。守備適性のポジションには入っていませんが、サードとかに該当しそうな特徴ですね」
「言われてみればそうかも知れませんね……」
まぁあくまでも印象で、それ以上の気持ちはありません。
「そんな春星さんが守れるポジションは二遊間と外野、あとファーストですね」
「かなり広い範囲を守れますね。他のポジションにコンバートになっても、そのポジションでやっていけそうです」
「それも売りでしょうね。実際新越谷は選手層は薄いですが、その質がかなり高いです」
朱里さんと武田さんのWエース、それに次ぐ川原さん、3番手以降も星歌さん藤原さんと川口息吹さん……。投手だけでも質の高い選手が6人もいます。
(実際私が知らないだけで、眠れる獅子が新越谷に来ても可笑しくなさそうですね……)
この予感が的中するのは、まだ少し先の話になります。
「そうですね……。私も去年の新越谷のデータはくまなく見ましたが、流石夏の全国優勝校……って感じがしました」
渡邉さんも新越谷を高く評価しているようです。それなら1つ訊いてみましょうか……。
「渡邉さん的には新越谷の選手で1番警戒するべき選手は誰だと思いますか?」
「そうですね……」
渡邉さんはしばらく考え込んだ後に……。
「……私目線では投手の早川朱里さんでしょうか。球種が豊富なだけでなく、それ等を完璧に使いこなす変幻自在の投手というイメージが出ました。今の私では何度勝負しても勝てないと思います」
(……やはり渡邉さんの見る目は私と同じようですね。誰よりも朱里さんを警戒しているようです)
それがわかっただけでも、このデータ解析は有意義な時間になったでしょう。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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