5回表。この回からはづきさんが登板します。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
先頭の武田さんを3球三振。はづきさんにとって幸先良い展開ですね。
「1球目は真ん中高めにストレート、2球目は内角の中央付近にカーブ、3球目は外角低めにスクリュー。何れもコースギリギリに決まりましたね」
「あれだと打者は手が出し辛いな。橘も良いピッチングをするようになった」
「そしてはづきの決め球でもある3種類のスクリュー。初見で打つのはかなり難しい」
はづきさんを象徴する3種類の大きさに曲がるスクリューは速度も変わってくるので、見極めもかなり困難です。
「そうだな。私達2人も橘との1打席勝負では4割程しか勝てていない」
「そこまでですか?はづきさんも成長していますね」
(確かに何の情報もなしにはづきさんの球を打つのは困難ですが、1打席勝負をする事が多くなった今でも、はづきさんは成長し続けている……。県対抗総力戦でも相見える可能性を考慮して、なるべく多くのデータを取っておきたいですね)
元梁幽館トップの2人に対して6割の確率で勝利するのは、かなり異例でしょう。何なら1年生(今は2年生ですが)投手では梁幽館野球部創立初でしょうね。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
1番の中村さん、2番の歩美さんも三振。流れは完全に梁幽館ですね。それと同時に……。
「投手がはづきさんに代わってから、梁幽館の空気が一変しましたね」
「あれは何がなんでも勝とうというムード……」
「3年生の為に……という気持ちが入っているのかも知れないな。毎年あるだろう気持ちだが、それが去年よりも強く、ピリッとした空気が流れている」
「それそのものは良い事ではあるんですが……」
(負けられないという気持ちは状況に応じてプラスにも、マイナスにも働きます。果たして今のはづきさんを中心に流れているムードがどちらに作用するか、そして新越谷側がどう対処するか変わってきますね)
はづきさんのがむしゃらにも見えるピッチングが両高校の流れを担っているでしょう。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
そして武田さんもはづきさんに負けていません。次々と相手打者を三振にしています。
「激しい投手戦が繰り広げられてる……」
「どっちの均衡が崩れるか読み難いな……」
「一見すると、武田さんの方に付け入る隙があるように見えますが……」
(しかしそれは洛山主宰の地獄の合宿に参加する前の武田さんだったら……の話ですね。今の武田さんだと、はづきさんでは良くて互角……)
恐らく均衡を崩すのは新越谷でしょう。そしてそれを決めるのは……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
-
見たい
-
見たくない