最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 2年目夏の都大会⑱

陽春星さんのホームランの後にも新越谷はチャンスが広がりますが、追加点の獲得まではいきませんでした。

 

「橘の立ち直りが予想以上に早かったな」

 

「でもこの1点は大きい」

 

「そうですね。今の武田さんなら梁幽館の打線を抑えるのは難しくないでしょう」

 

……と思いましたが、どうやら新越谷は投手を交代するようです。投げるのは朱里さんですね。

 

「新越谷は投手を早川に交代するみたいだな」

 

「奈緒は朱里と直接対決をした事があったんだっけ?」

 

「ああ。去年の夏大会でな。悔しいが私の完敗だったよ」

 

朱里さんは去年の梁幽館との試合では満塁のピンチでの火消し役を行い、それが無事に成功しました。新越谷側もほぼ賭けに等しい行動だと思いましたが……。

 

「朱里さん程手数の多い投手はいませんからね。初見で打つのは難しいでしょう」

 

「それは……去年君とバッテリーを組んでいた神童よりもか?」

 

「球の威力そのものは神童さんの方が上ですが、球種は朱里さんの方が多いです。そして今の朱里さんは……昔の朱里さんに近付いてきています」

 

地獄の合宿で見た朱里さんはかつてリトル時代で投げていたあの時を連想させます。もしかしてこの試合で朱里さんが投げる事になったのは、はづきさんに見せる為……だったりするのでしょうか?

 

「昔の早川に……?それはシニア時代か?」

 

「いえ、シニアよりも昔……リトル時代の朱里さんにです」

 

「リトル時代の朱里……どんなピッチングをするのか、いまいち想像が付かない」

 

2人から見た朱里さんは完全にシニアで常勝していた頃の朱里さんでした。

 

「それならよく見ておいた方が良いですよ。利き腕こそは違えど、今の朱里さんはリトルと同等のピッチングをします」

 

そんな朱里さんの1球目……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

「な、なんだあの球は……!」

 

「ライズボールの類いにしては低過ぎる。まるで地面を滑っているかのよう。それにしても朱里がアンダースローに転向していたとは……」

 

「あのアンダースローこそがリトル時代の朱里さんですね。そして投げられる球はかつて世界一のアンダースロー投手と呼ばれていた早川茜さんの決め球……『燕』と呼ばれていた球です」

 

その球はまるで燕が地面を滑空しているような表現でそう呼ばれる事になりました。

 

「かつての名投手の面影が今の早川にある訳か……。苗字が同じなのを察するに、彼女がそのアンダースロー投手の……」

 

「はい。早川茜さんの実の娘である朱里さん……。決め球は次の世代へと受け継がれていますね」

 

(しかしそうなると影森の中山さんが燕を滑っている習得しているかですね。同じアンダースローとして……なら理由としては弱過ぎます。まさか茜さん自身が手解きを……?)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

先頭の吉川さんが三振、次ははづきさんの打席ですね。

 

(恐らくこの打席が朱里さんにとっても、はづきさんにとっても、かなり重要な打席になるでしょうね)

 

見せてもらいますよ?2人の対決を……。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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