最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 2年目夏の都大会26

二宮瑞希です。新越谷と稜桜学園との試合の翌日、私は埼玉県で発行される新聞を寮で読んでいます。配送料込みで部費で落としてくれるのはありがたいですね。

 

(スポーツ新聞の高校野球の欄ではやはり猪狩さんの完全試合が一面を飾っていますね)

 

『新越谷の隠れエース爆誕!』と大々的に書かれており、埼玉の高校は猪狩さんを警戒せざるを得なくなったでしょう。その上で朱里さんや武田さんがいるのが、新越谷の強みの1つです。

 

 

ブーッ!ブーッ!

 

 

スマホのバイブが震えているので確認すると、朱里さんから着信が来ていました。

 

「はい」

 

『もしもし二宮?ちょっと訊きたい事があるんだけど……』

 

朱里さんは私の視点で猪狩さんがどのように映るのかを訊きたいようで、私の意見がほしいそうです。

 

「それで私に電話を掛けてきた訳ですか……」

 

『二宮の視点から猪狩さんの評価が聞きたくてね』

 

ここは素直に私の意見を言えば良いでしょう。

 

「それで私からの猪狩さんへの評価ですが……野球を本格的に始めたのが今年度からというだけあって、体幹がまだまだ不完全ですね。対策が早いチームは既にその隙に付け入る準備が完了している事でしょう」

 

『そうだね……。それは私も同じ意見だよ』

 

特にここまで勝ち上がってきた高校なら、対策も難しくないでしょう。

 

「評価を続けますよ?」

 

とりあえず総評を続けましょう。

 

『うん。お願い』

 

「不完全な体幹とは思えない程の球速、球のキレ、変化球の変化量、そしてエースと呼ばれるのに必要な闘志……。それ等を全て兼ね備えている猪狩さんはもしも新越谷野球部と同じ条件で練習された状態で入部していたとしたら……」

 

一呼吸置いて、結論を出します。朱里さんからも緊張感が伝わってきます。

 

『……新越谷のエースナンバーを獲得していたのは間違いなく彼女になるでしょう。これは和奈さんやいずみさん、そして同席していた猪狩守プロも同意見でした』

 

猪狩守プロの存在に朱里さんが息を呑んでいましたが、まぁ普通は県大会でプロ選手がお忍びとはいえ来ていると、大騒ぎになりますからね。

 

『……ありがとう二宮。聞きたい事は聞けたよ』

 

「どうでしたか?朱里さんから見た彼女は……?」

 

『概ね二宮と同じ意見だったよ。味方としては頼もしいけど、秋大会以降ではエース争いとしてもしかしたら最大のライバルになるという事もね……』

 

「成程……。朱里さんが言うのでしたら、私の推測も間違ってはいませんね。良い事が聞けました」

 

私だけの推測だと確証に至るのは難しいですからね。朱里さん程の鋭い人間なら、信憑性も増すでしょう。

 

「それでは失礼します。今日も予定がありますので」

 

『今日はありがとう』

 

「いえ。私も得られるものがありました」

 

朱里さんとの通話を終了しました。今日も情報収集に勤しみましょう。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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