試合は4回表。番堂さんのホームラン以降は両高校大人しくなっています。
「この回は星歌からホームラン打った番堂さんからだね」
「さっきは見逃しちゃったけど、どんなバッティングをするか見ておかなきゃ……!」
初回のホームランは会話の最中に起こった事なので、和奈さんもいずみさんも見逃していますね。まぁ私は一部始終見ていましたが……。
「しかし星歌さんも初回と同様にはいかないでしょうね」
「そうなの?」
「はい。初回にホームラン打たれたのがあくまで不意だったのと、恐らくこの打席で番堂さんの弱点が見られるからでしょう」
データだけではいまいち判断し難いので、この目で見ておきたいですが……。
「番堂さんの……?」
「弱点……?」
2人が疑問符を浮かべている中どうやらバッテリーは解答を見付けたようで、初球から早速攻めていますね。
ズバンッ!
『ストライク!』
番堂さんの弱点……。
「えっ!?」
「ど、ど真ん中のストレートを空振り……?」
ど真ん中に投げられるストレートを……。
「様々なコースに散る変化球が得意球で、ど真ん中に来るストレートが苦手球……。中々稀有な打者ですね」
「でも凄くない?ストレートが得意で変化球が苦手……ってケースならよく聞くけど、その逆って……」
ストレートが苦手な打者はいるでしょうが、番堂さんがレアケースなのは確かですね。
「確かに変わってるよね。あの番堂さん……って今年入った1年生だよね?」
「データによればそうですね。そして彼女は経緯こそは違えど、雷轟さんと同じタイプの初心者です」
2年後、1年後……。もっと早ければ、それこそ雷轟さんのようにこの夏で最大戦力として数えられても可笑しくないでしょう。
「4番を打ってるって事はスラッガータイプなのは間違いないよね?」
「はい。近い将来に雷轟さんと番堂さんは良きライバルとして、互いに切磋琢磨するかも知れませんね。それがこの試合を切欠に来年の県大会と、或いは……」
(或いは今年の県対抗総力戦でのチームメイトとして、はたまたプロとして……。見ていて興味深いですね。同じチームでプレーするのはごめんですが)
見ていて心臓に悪いプレーをするので、別チームのライバルとして観察させてもらいますよ。
カキーン!!
『ファール!』
「確かにストレートが苦手って訳でもなさそう……。ど真ん中が苦手なのかな?」
和奈さんが番堂さんの詳しい弱点に気付いたようですね。
「ど、ど真ん中が苦手って、打者として大丈夫なの?初球のストレートだって、針に糸を通すような綺麗な空振りだったし……」
「そういうイメージも相まって、番堂さんは比較的抑えやすい打者であるのは間違いないですね」
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
「フォークで空振り取った!」
「苦手など真ん中を攻略しようと躍起になったところを落とす……。相手の心理を利用した1球だったね☆」
「そうですね」
これで流れは新越谷に渡りました。番堂さんのもう1つの弱点を突いて、最低でも同点にしておきたいですね。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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