最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 2年目夏の都大会62

5回表。逆転に成功したからか、一ノ瀬さんの球が更にキレを増したような気がしますね。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

「流れは完全に親切高校に行っちゃったかな~?」

 

「そうでもないでしょう。確かに向こうの4番打者に打たれはしましたが、その後の武田さんのピッチングは今日1番に冴え渡っています」

 

本当にギリギリのところで武田さんは流れを渡していません。

 

「た、確かに……。今のヨミちゃんの球を打つのは難しそうかも……」

 

(決して不可能と言わないのか和奈さんですね)

 

それが洛山高校の4番打者……清本和奈でしょう。

 

「でも羽矢さんも負けてないよね。コースギリギリに変化球をバンバン投げてくるし……」

 

「ストライクゾーンギリギリに曲がってくるカーブと、ボールゾーンへと逃げるシンカーとシュート……。今の一ノ瀬さんはこの3種類を散らしていますが、中盤戦の今ではそろそろその逆を突いてくる、或いはその心理を逆手に取ってくるケースが出てきますね」

 

「そうなの?」

 

「現に新越谷側が円陣を組んでいます。恐らくここからは読み合いが発生してくるでしょうね」

 

ここからどのような打席になるのか見せてもらいますよ?

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

「これでツーナッシング……!」

 

1球目は内角ギリギリにカーブ、2球目は外角のストレート。この配球で気付けるでしょうか?

 

 

ズバンッ!

 

 

『ボール!』

 

「カーブで大きく外した!」

 

「恐らく次の1球で決めに行くでしょう」

 

4球目に投げられたのは、内に食い込むシュート。その結果は……。

 

 

カンッ!

 

 

武田さんの勝ちのようですね。一二塁間を抜けたヒットになりました。

 

「今の一打は上手かったね~。まさか裏を欠いた球にドンピシャのタイミングで打ってくるなんて☆」

 

「読み合いに勝ったのかな……?」

 

「一ノ瀬さん達バッテリーの采配は中々に私好みの配球でした。となると……朱里さんがそれを読んで、武田さんに伝えた可能性が高そうですね」

 

だとしたら朱里さんは私の考えを投影して、それを武田さんに伝えたのでしょう。

 

「あー……。確かに瑞希ならやってきそうな配球だよねぇ」

 

「瑞希ちゃんと組んできた期間が長かったから、朱里ちゃんは読む事が出来たのかな?」

 

「そうでもありません。最後に投げられたシュートは恐らく朱里さんにとっても想定外の1球だったと思います」

 

「えっ……?でもヨミは打ったよ?」

 

そこが今の安打の肝でしょう。朱里さんの予想の裏を欠いてくる……という事も武田さんに伝えていたのだと推測出来ます。

 

「朱里さんにとっての想定外を、打った武田さんにとっては想定内に収める……。これも予め朱里さんが伝えた作戦でしょう」

 

「うっ……!なんか朱里も瑞希みたいな事を考え始めてきたな~」

 

「そ、そうだね……」

 

まぁ朱里さんとは6年間バッテリーを組んできた訳ですからね。バッテリーの考えが似通うのも特に珍しくないでしょう。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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