1回裏。洛山先発は黛さんですね。
「よーし!先制点取りに行くぞー!」
日葵さんが意気揚々と打席に入ります。いずみさんっぽくなりましたね。
(それはさておき……。黛さんの球種にはこの全国大会で新しく出来た球がありますが、果たしてその球がこの試合で見受けられるかどうか……)
ズバンッ!
『ストライク!』
低めに投げられる変化球は相変わらずの制球力ですね。まさに精密機械と呼ぶに相応しいでしょう。
カンッ!
『ファール!』
しかし正確に投げられるという事は、来るコースがわかっているという事……。なまじ制球が良過ぎるのも考えものですね。かといってノーコン投手はそれはそれで困りますが。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!)
日葵さんが三振。止めは2度折れ曲がるカーブこと剃刀カーブでしたね。
「あのカーブ、前に見た時よりも精度上がってない?」
「向こうも成長してるのは当然でしょう」
(しかし例の球は温存していくつもりのようですね。県対抗総力戦に向けての温存……と考えれば聞こえは良いですが、私目線だとこの試合を捨てているようにも見えますね)
向こうがそのつもりなら、こちらもそれ相応の対応を取らせてもらいましょう。
『アウト!』
「あっ!おねーちゃんも打ち取られちゃった!」
「黛さんの球は制球があるのに加えて、変化球のキレも変化量も抜群です。苦戦するのも致し方ないでしょう」
「去年の夏くらいからメキメキと頭角を現してるからな……。夏時点ですらそこまで目立ってなかったのに、秋以降は著しい成長を見せている」
去年の夏までは大豪月さんという絶対的な存在がいましたからね。黛さんがその影に埋もれていたのは間違いないでしょう。投手としてのタイプ真逆と言っても過言ではありませんが、やはり大豪月さんの存在感は凄まじいものです。
「瑞希先輩は黛さんをどう思っていますか?」
詩織さんが私からの黛さんへの評価を気にしているみたいですね。私からの評価等気にしても仕方ないとは思いますが……?とはいえ応えないのも無粋ですね。
「黛さんの1年生のデータ時点ではキレのあるカーブを駆使していましたね。それが2年生になると大豪月さんと非道さんによって、球速が上がった代わりに変化の量が落ち、クセ球を中心に投げるようになりました」
「成程……」
「そして本格的に変わったのが去年の夏以降ですね。黛さんは独自で独特の決め球を開発していました」
思えばずっとずっと決め球の開発に務めていたのでしょう。それが実を結んだのがその時だった……と考えるのが自然ですかね?
『アウト!チェンジ!!』
「……話をしている内に、チェンジになりましたね」
「渡邉も二宮の話が気になるだろうが、続きは試合が……いや、大会が終わるまで我慢しておいてくれ」
「……わかりました」
詩織さんは不服そうでしたが、それが良いでしょう。詩織さんとは話が合うので、かなりの長話になるのは間違いなさそうです。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
-
見たい
-
見たくない