5回裏。香菜さんはここまで3人で切っていますが、2巡目ともなると中々上手くいかないでしょう。
「この回は4番の諸星からだよね……」
「そうですね。1打席目と同じようには行かないでしょう」
かといって弱気を見せれば、そこに付け込まれる事になります。3種類のスライダーとノビのあるストレートで、なんとか打ち取りたいところではありますが……。
カキーン!!
「初球から行かれてしまったか……」
「こればかりは仕方がありません」
諸星さんの対応力は雷轟さんクラス。加えて和奈さんのように無駄のないバットコントロールを持ちますので、打たれるのも時間の問題でした。
「ただ私達はまだ1点も取れてないんだよな……」
「これ以上は打たれる訳にもいきませんので、香菜さんからすればここが踏ん張り所ですね」
バッテリーも諸星さんを最大限警戒していたでしょうが、諸星さんは単純にその上を行きました。仕方のない事です。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
「なんとか後続は抑えたが……」
「諸星さんに打たれたホームランが余りにも痛過ぎますね」
「まぁ過ぎた事を気にしても仕方ないさ。最早私達には阿畑の球を打つしか、勝ち筋がないんだから」
「そうだなぁ。それしかないのに、気が長い問題なんだよなぁ……」
「今日のスタメンは全員白糸台なんだし、初戦では負けてられないよね〜」
「他人事みたいに言ってるが、おまえも当事者なんだからな大星……!」
「だってふらふらしてる球苦手なんだもーん!」
「得意球がチェンジUPの奴が何を言うか……。この回はおまえの打順からなんだから、さっさと行って来い!」
「はーい」
大星さんはいまいち何を考えてるか予想が付きにくいですね。
「はぁ……。白糸台の先輩達はあのじゃじゃ馬をどう相手してたんだ?」
「神童さんの世代とその1つ上の世代が、大星さんの相手を担当していたみたいですね」
「……神童さん達が度々顔を出す理由がわかった気がするわ」
新井さんも気付いてしまいましたね。OGが顔を出す8割くらいの理由が大星さんの心配だという事を。本来私達の様子を見る為に来る……というのが理由の筈が、私達の方がオマケになっています。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
「大星さんが三振してしまいましたね」
「打てていない私が言うのもなんだが、余りにもアッサリと三振し過ぎなんだよなぁ……」
「保美さんと対戦してる打者は現状全員が三振ですからね」
「マジでどうにかしないと……。優勝候補が相手とはいえ、流石に初戦負けは洒落にならんぞ……」
新井さんが譫言のように呟いている内容の通り、このままではいけません。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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