試合は進み、投手も香菜さんから小町さんに交代しました。香菜さんはベンチで休んでいます。次の試合でも登板予定ですからね。
「ふぅ……」
「お疲れ様です」
「ありがとう。でも、点を取られちゃったよ……」
「あの失点はどちらかといえば詩織さんに問題がある気もしますが、それでも詩織さんと合わせて上手くやっていましたよ」
「私に、もっと力があればなぁ……」
「詩織さんも同じ反省をしていましたよ。香菜さんを最大限生かす事が出来なかった……と」
思えば夏大会の時から数えて、香菜さんと詩織さんはまだ3回しかバッテリーを組んでいませんでしたね。秋大会以降にもう少し組む回数を増やすべきでしょうか?
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
「小町さんの方は順調のようですね」
「うん。ど真ん中に行く球はかなりスピンが掛かってるし、それ以外の球にも良い感じにコースへと決まってる。これなら残りのイニングも凌げるかも……」
「問題があるとすれば、あと1度は回ってくる諸星さんの相手ですが……」
(小町さんはこの試合まででかなりレベルアップしていますが、それでも諸星さんには届きません。1番良いのは敬遠になるでしょう)
「どうしたの瑞希ちゃん?」
「……なんでもありませんよ」
いずれにせよ諸星さんの対処を決めるのは、詩織さんに一任しています。マスクを被っていない私がどうこう言うのはお門違いですね。
『アウト!チェンジ!!』
「リリーフの斎藤が上手く凌いだみたいだな」
「そうですね。この調子なら、最終回まで投げさせても問題ないでしょう」
「そうなると諸星の打席については……」
「その辺りは詩織さんに一任しています。今後に繋がる打席にしてくれれば、私が言う事は何もありません」
「今後……?」
「この県対抗総力戦はもちろんですが、それ以降の秋、来年の春、そして夏……。詩織さんと小町さんの世代になっても今日の試合で得たものを生かせるようにしてほしいというのが私の見解です」
「……成程ね」
(やっぱり二宮は面白い奴だな。この機会でしか組めない選手ではあったが、私の知見も良い方向に広がっていきそうだよ)
何やら十文字さんから妙な視線を感じますが、まぁ私には関係のない事でしょう。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
問題は打線が頭打ちな事でしょうか。
「鋼と斎藤の頑張りは無駄に出来ない……。なんとか逆転しないとな。最悪私達も出る事も視野に入れた方が良さそうだ」
「私は十文字さんと違って出来る事は限られそうですが……」
私の力が必要になると言うのなら、その期待には応えたいところですね。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
-
見たい
-
見たくない