試合は9回表。私達西東京選抜は未だに保美さんの球を打ち切れていません。
「まさか無得点のまま9回まできてしまうとはな……」
「ナックルはそうそう打てる代物ではありませんからね。その上保美さんはそのナックルを幾度も改良しています。打てないものが更に打てなくなっても責められはしないでしょう」
ちなみに阿畑ボールは本人曰く今ので14号目だそうです。あのナックルボールをこれまで13回も改良するその手腕は流石と言わざるを得ません。。
ズバンッ!
『ボール!フォアボール!!』
「粘り強く行った甲斐があったな。私達にももう1度チャンスが巡って来た」
「ナックル程握力を使う球を休みながらとはいえ、連投してきたんだ……。疲れが見えてくれなくては困る」
まぁ遠前高校の夢城由紀さんはそのナックルボールを何百と投げても、一切の疲れが見えませんでしたが……。あれは彼女が可笑しいだけですね。
「出たランナーは日葵だが、盗塁は……」
「しない方が良いでしょうね。もうミスが出来ないところまで来ていますから、慎重にいきましょう」
という訳で、陽奈さんには送りバントの指示を出します。
(送りバントでお願いします)
(了解しました)
コンッ。
「初球から上手く決めてくれたな。ナックルを投げられる可能性もあったが、ストレートだったし……」
「スコアリングポジションにランナーが行くのを避けると思ったまでですよ。ミートのある陽奈さんには追い込むまでナックルはないと、予測しましたから……」
『アウト!』
「何にせよこれでワンアウト二塁だね!」
「これで当てさえすれば、全然チャンスがあります」
これでクリーンアップに回りますし、保美さん以外に抑えられるとは思っていませんし、その保美さんにも限界が近付いています。これ以上ないチャンスでしょう。
(握力がなくなってるのがわかるわ……。でももうちょっとなんや。もう一踏ん張りの辛抱や!)
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
「大星は三振……。ここに来てナックルの威力が戻ってきたな」
「限界を超えているのは間違いないでしょう」
「よし!バンガード、決めて来い!」
「Yes!このバットで勝利をもたらしマース!」
打ち気になっているバンガードさんですが……。
ズバンッ!
『ボール!』
「……まさかバンガードを歩かせるつもりか?」
「一塁は空いていますし、その価値はあるでしょう」
「そうなると私が決める必要があるのか……」
ズバンッ!
『ボール!フォアボール!!』
「おっと!阿畑選手、ここで4番のバンガード選手を敬遠!』
『一塁が空いているからでしょう。西東京選抜はランナーを2人置いて、次の打者が入ります』
試合を決めるのは良くも悪くも新井さんになるでしょう。頑張ってください。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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