7回表に京都選抜は更に5点を追加。リードは7点になりました。
「あっ、京都選抜の投手を交代するみたいですよ!」
「マウンドに上がったのは黛さんだね。京都選抜はここで逃げ切りを目指すつもりなのかも……」
京都選抜は朱里さんの言うように、逃げ切りを目指そうとしています。7点差が京都選抜にとってのセーフティリードと判断したようですね。
ズバンッ!
『ストライク!』
「相変わらず切れ味抜群だね……」
「しかも今の1球は変化が1回だけのもの……。1回変化と、2回変化を上手く使い分けてるんだよ」
ズバンッ!
『ストライク!』
今の空振りは……。
「今のスイング、なんか違和感があったような……?」
朱里さんも私と同じ事を思っているようですね。つまり……。
「朱里さんも気付かれましたか。今の空振りはボールの遥か下で行われていたものです」
「……という事は、打者が思っている程変化していないんだね」
黛さんの投げる剃刀カーブは、東東京選抜の想定よりも変化していないという事になります。
(しかし黛さんを動かしているのは、あの非道さんです。この程度の事は想定しているのでしょうね)
「ああなると修正にも時間は掛からないでしょうし、捉えられるのも時間の問題ですね」
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
「三振には抑えましたが、座標が合い始めています。恐らく次か、その次の打者で確実に捉えるでしょう」
今の打者が8番。そして……。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
「今の打者は三振……という事は……」
「本命は次の打者ですね」
9番打者が三振。黛さんの攻略に火を点けるのはいずみさんになります。
カキーン!!
「初球から打ってきましたね」
「金原が本気で黛さんの攻略を行ってるって証拠か……」
『ファール!』
ファールにはなりましたが、このままではいずみさんには通用しないでしょう。
「タイムお願いしま~す」
非道さんが動き始めましたね。この状況下をどう切り抜けるのか見物です。
「えっ?何あれ!?」
「ぶ、分身してる……?」
2球目は端から見ると、分身しているような……そんな球ですね。
(恐らくあれが黛さんの切り札でしょうね)
「分身って……。ナックルボールじゃないよね?ならただのストレートかな?」
いずみさんがストレートと狙いを付けていますが、恐らく……。
「えっ?カーブした!?」
ズバンッ!
『ストライク!』
カーブしましたか。ブレているように見えるのは、その変化を悟られない為……でしょうか?
「なっ!?今度はシュート!?」
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
3球目も同様の球かと思えば、今度はシュート方向へと曲がりました。
「う、嘘でしょ?確かに外角低めに構えていた筈なのに……!」
いずみさんも外角低めへ曲がるカーブと踏んでいたようですが……。
「な、成程ね~。ダブルミットで両変化に対応してるって訳かぁ……」
「その通り~♪」
ダブルミットで球の正体を探られないようにする……。1打席だけ有効な手段ですね。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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