ノーアウト一塁。埼玉選抜にとっては早速ピンチですね。
『さぁ!ノーアウト一塁のチャンスで2番打者、リンゼ・シルエスカ選手が打席に立ちます!!』
『先程出たエルゼ・シルエスカ選手とは双子の姉妹ですね。アメリカの高校から、洛山高校に留学しています』
『アメリカにいた頃のデータによりますと、エルゼ選手は長打力に長けており、小技もある程度は出来るとあり、サイクルヒットも何度か叩き出しています!』
エルゼさんの選手タイプはいずみさんと亮子さんのハイブリッドと見ても良いでしょうね。打率では辛うじていずみさんが勝っていますが、環境の違いで簡単にひっくり返される範囲内です。いずみさんがもしも洛山の選手だったら……今程の安定感はなかったでしょう。
『そして今打席に立っているリンゼ・シルエスカ選手は犠打の名手であり、犠打の数で彼女の右に出る選手は未だにいません!』
『打強の洛山に入った事によって、長打力も得ているリンゼ選手は益々隙の少ない選手に成長していますね』
長打力を得て、リンゼさんは姉よりも隙のない選手に育とうとしています。シルエスカ姉妹は良くも悪くも佐倉姉妹と似通っています。
「なんか地面を見てる……?京都予選でも度々あったけど、あれってなんか意味あるの?」
いずみさんはリンゼさんの行動に疑問を持っているようですね。知らない人は知らないでしょうが、リンゼさんの持つスキルは2番打者としてほしいものを全て持っています。犠打の技術も、ボールを見送る技術も、風向きの把握する術も、そして今やっているグラウンドの状態も……。全てを把握して打席に立っています。
「……リンゼさんはグラウンドの状態を把握しようとしているようですね」
「グラウンドの状態……?」
「恐らくリンゼさんの狙いは……」
カンッ!
初球打ち。打球はセカンド正面のライナーですが……。
ガッ……!
「えっ?イレギュラーバウンド!?」
「そう……。彼女はグラウンドの状態を把握する事でどこに打てば、今のようなバウンドが起こるのか……というのを知る事が出来ます」
「む、無茶苦茶じゃん……」
バシッ!
「はっ!?捕った!?」
イレギュラーバウンドによって高く跳ねた打球は、ライトにいる夜子さんが捕球。そのままセカンドへと送球しました。
『アウト!』
「ええ……。今のをアウトに出来るんだ」
「この辺りは流石の動きとしか言い様がありませんね」
あのイレギュラーバウンドも朝海さんは完璧に予測していましたね。もしかしたら朝海さんもリンゼさんと同等の能力を有しているのかも知れません。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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