二宮瑞希です。宿舎にて、十文字さんと軽く作戦会議を行います。実りある時間にしたいですね。
「それで埼玉選抜との試合は鋼にやってもらうんだったね。それそのものは構わないけど、一応理由の方を訊いておこうかな」
やはり理由を求められますね。まぁ十文字さんの予定からズレてしまっていますし、致し方ないでしょう。
「理由は大きく分けて3つあります」
「ほう?」
香菜さんが埼玉選抜を相手に先発する理由……。大まかに分けても3つ出て来ますね。
「1つ目は決勝戦……十中八九群馬選抜が勝ち上がるでしょうが、群馬選抜相手には新井さんをぶつけます」
「そうだね。鋼に決勝戦……それも群馬選抜を相手するには少々荷が重いかな」
「しかし大舞台でマウンドに上がる経験は出来るだけ必要になってきます。2年生の香菜さんは秋以降確実に白糸台のエースになりますからね」
これに関しては紛れもない事実です。次の大会に向けて、なるべく場数を踏ませるのが大きな目的になりますね。
「成程ね。白糸台からは多く選ばれているからこそ、後の大会に向けての準備も兼ねられる訳か……。斎藤と渡邊辺りも同様の理由でこれまでの試合に臨んでいそうだ」
「その通りです。流石の慧眼ですね」
やはり十文字さんには先を見据える視点がかなり広く見られますね。こういった部分は見習わなくてはなりません。
「まぁ私が二宮の立場でもそうしてただろうし、そこは納得だね」
「ありがとうございます。2つ目の理由は新井さんをなるべく温存させる為ですね」
「新井を温存か……」
2つ目の理由に関しては、完全に新井さんの休養が目的になります。決勝戦ではフルコンディションで臨んでもらう必要がある以上、期間が空くとはいえ連投は避けたいです。
「まぁ埼玉選抜に負けてしまったら温存の意味が全くなくなってしまうが、恐らく3つ目の理由が最も大きいのかな?」
「そうですね。3つ目は香菜さんが雷轟さんとの相性が良い事です」
「過去の成績を参考に……か。確かに鋼は対雷轟との相性は良好だし1度新越谷相手にも練習試合とはいえ悪くない結果を残してる……。加えて速いストレートと3種類のスライダーを織り交ぜると、打つのにも難航するって訳か……」
「以上が香菜さんを先発にする理由ですが……。十文字さんはこれを訊いてどう思いますか?」
「ふむ……」
(鋼を先発にする場合の懸念事項がいくつかあるが、二宮だったらその心配も考慮してるだろうね)
「……うん。私は異論ないよ。先発は鋼で行こう」
「意見を聞いてくれてありがとうございます」
「なに。責任は私や新井、それと監督に押し付けて良いよ。それが年長者としての責務だからね」
十文字さんはそう言ってくれていますが、埼玉選抜との試合の責任は私に大きくのしかかるでしょう。プレッシャーを感じますが、それ以上に試合がどう働くかも楽しみですね。
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