二宮瑞希です。風薙さんの圧巻なピッチングにより、群馬選抜が一足先に決勝戦へと進出しました。それにしても……。
「この準決勝でも見られませんでしたね」
「そうだね……」
見られなかったというのは、風薙さんのストレート以外の球種。朱里さんも同じ感想でしたね。
「ぐ、群馬選抜にはウィラードさんもいるのに、それが霞んじゃうレベルのピッチングだったね……」
「この準決勝はDH制だから、ウィラードさんはずっとサードを守ってたけどね」
ちなみにそのウィラードさんは2戦目と3戦目に投げていて、2試合合わせて被安打6、失点2と好成績を残していますが、風薙さんと比べてしまうと天と地の差になってしまいます。
「10割打者に、防御率0.00の剛腕投手、アメリカ一のスラッガー。この3人を筆頭に群馬選抜は安定した勝利が約束されています。そしてこのままでは決勝戦も……」
「それを阻止するのがもう1つの準決勝の勝者……埼玉選抜か、西東京選抜の勝者って事だね」
「決勝戦でも風薙さんが投げるのは間違いないだろうし、1人でも風薙さんに抗える人が多くなると良いな……」
決勝戦で風薙さんが投げるのは確定でしょう。彼女に抗える選手が1人でも多くなるように、頑張っていますが、如何せん時間が足りなさ過ぎますね。
「朱里、瑞希、そろそろ準決勝開始時間が迫ってるんじゃない?」
いずみさんの一言で時計を確認すると発言通り、試合開始の時間が近付いて来ていました。
「……そうですね。私は西東京選抜の皆さんの所へ戻ります」
「私も埼玉選抜の皆の所に行くね」
私と朱里さんは同時に立ち上がり、それぞれのベンチへと歩き始めます。
「じゃあアタシと和奈はこのまま2人の応援をしてるね☆」
「2人共、頑張ってね!」
いずみさんと和奈さんから応援の言葉をもらいました。しかし勝者は常に片方だけですからね。
「なるようにしかならないよ」
「なるようにしかなりません」
朱里さんと言葉が重なりました。本当に同じ事を考えていたみたいですね。6年間バッテリーを組んだ影響でしょうか?
「い、息ピッタリ……」
「流石元名バッテリーだね~☆」
少し締まりませんが、適度に少しずつ緊張感を持っていきましょう。
「……戻りました」
「ミズキさん、またウロウロしてたのデスカ!?」
西東京選抜側のベンチに着くと、バンガードさんから叱責を受けてしまいました。普段はちゃらんぽらんな彼女ですが、時間にはかなり厳格ですからね。これは私の失態と言えるでしょう。
「まぁ二宮は勝利の為に、様々な情報を集めている……。咎めるのは筋違いなんじゃない?それにこうして試合には間に合っている訳だし」
「むぅ……。ジュウモンジさんがそう言うのなら、仕方ないデス」
十文字さんのフォローが入った後、今日の試合について話します。
「それで……今日の試合の先発は?」
「以前話したように、先発は香菜さんが適任です」
「わ、私が……?麻琴先輩の方が良いと思うよ?」
香菜さんは否定していますが、対埼玉選抜においては新井さん以上に適任です。ここは譲れませんね。
「この試合はDH制ですからね。そうでなければ新井さんと交互に投げてもらう予定でしたが、DH制となれば香菜さんにはピッチングに集中してもらった方が良いでしょう」
「念の為に新井も控えさせておく?」
十文字さんから新井さんをこの試合で投手として置いておくか訊かれますが……。
「……いえ、新井さんの打撃は西東京選抜には必要ですので、新井さんには外野に入ってもらいます」
埼玉選抜を相手に、極力打力は落としたくありません。必然的に新井さんは野手として起用します。
「わかった……。新井もそれで良い?」
「それが二宮と十文字の意見なら、私はそれに従うさ。2人が言うなら間違いないだろうしな」
新井さんからも了承を得たので、スタメンはこれで完成ですね。
(こちらの準備は整いました……。あとは試合に臨むだけですね)
勝負ですよ。埼玉選抜。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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