7回の攻防は両チーム無得点で終わり、8回表。
『西東京選抜、守備の交代をお知らせします。キャッチャー代わりまして二宮さん。DHにはキャッチャーにいた十文字さんが入ります』
「じゃああとはお願いね?」
「なるようにしかなりませんが……。任せてください」
ここからは私が十文字さんに代わって、マスクを被ります。十文字さんがここまでパーフェクトに抑えてくれていたので、プレッシャーが掛かりますね。
「瑞希ちゃん!」
「十文字さん程のリードは出来ませんが、私なりに香菜さんを導くつもりです」
「う、うん!頑張るね!」
香菜さんも香菜さんで重荷を感じているようですね。私が十文字さんのような安心感があれば、ここまで香菜さんを不安にさせる事もなかったでしょう。全ては私の実力不足です。
(やっぱり二宮の方が鋼を上手く活かせる気がするなぁ……。なんかお似合いって感じがする)
「どうかしましたか?」
「なんでもないよ。あと2イニング、頑張ってね」
「任せてください」
私が出た事によって、埼玉選抜に負ける……なんて状況になりかねないのが現在ですからね。気張っていきましょう。
カキーン!!
『ファール!』
そして8回表は雷轟さんからの打順となっています。いきなりの大ファールですね。
(流石に3打席目となると、香菜さんの球を苦もなく打ってきますね。正直今日の試合で香菜さんが雷轟さんを打ち取れたのは奇跡レベルで、今の雷轟さんはスラッガーとして大成しています)
ここはより慎重に攻めるべきですね。1球外しましょう。
「あっ!?」
スライダーを要求しましたが、すっぽ抜けて曲がりません。
「えっ?ええっ……?曲がらない……?」
「はぁ……」
(これは香菜さんの疲れをケアしていなかった私の責任ですね)
カキーン!!
当然雷轟さんは失投を捉え、文句なしのホームランにしてしまいました。
『な、なんと雷轟選手による同点ソロホームラン!起死回生の一撃です!!』
『鋼選手も疲れが見えていたのでしょうか?ここまでパーフェクトに抑えていただけに、今の失投はかなり手痛いです』
意識してはいないのでしょうが、こちらに重くのしかかる発言ですね。香菜さんが気にしていないと良いのですが……。
『アウト!チェンジ!!』
とりあえずは無事に後続を抑えて、同点で済みましたね。
「ご、ごめん瑞希ちゃん……」
「……これは香菜さんの心身をケアしていなかった私に責任があります。後続を無事に抑えられた事を喜びましょう」
「う、うん……」
「…………」
(本人はああ言ってるけど、これはかなり責任を感じてるね。後輩達にはそういう重荷は背負ってほしくないんだけどなぁ……)
十文字さんが何やら言いたげですが、今は試合に集中しましょう。あと少しで試合も終わります。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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