9回表。まだ一波乱ありそうな空気を感じます。
「よーし!この回を抑え切って、フィクション達に勝つよっ!」
前のイニングの途中から朱里さんと交代した武田さん。このイニングも続投する模様です。
「ヨミちゃん、頑張ってね。二宮さんのリードにはしっかりと従うように」
「はーい!」
山崎さんと武田さんからは親子みたいな関係性ですね。2人は幼馴染のようですが、母親とその娘のように見えます。
「武田殿」
「わっ!?びっくりした……。どうしたの村雨さん?」
静華さんが武田さんを呼び止めます。対戦相手についての作戦会議、或いは警告をするつもりなのでしょう。
「朱里殿が最後の打者を抑えた時の事を覚えているでござるか?」
「えっ?う、うん。流星群のような綺麗な球を投げてたよね」
あれは投げた本人も含めて面食らってしまうワンシーンでした。想いの強さが魔球を具現化させる……でしたか。
「そんな朱里殿と同等に相手選手は全員魔球の対となる技……魔打法があるのでござるが、相手チームはこれまで1度も魔打法を使っていない……。心しておくでござるよ」
「魔打法……何か対策はないの?」
魔打法なるものの対策はないに等しいでしょうね。あったとしても、朱里さんのように魔球を投げる事でしたが、武田さんからは現状そのような気配はありません。
「対策はただ1つ。魔球で迎え撃つ事でござるが……。武田殿は何か今までになかった力が身体の奥底から湧いてくる……というのはないでござるか?」
「う~ん……。特にないかなぁ?はっ!?ひょっとして向こうに魔打法を使われたら、どうしようもない!?」
「…………」
「無言!?何か言ってよ~!!」
……どうやら打つ手なしのようですね。それなら腹を括りましょう。
「行きますよ武田さん。ここまで来たら覚悟を決めるしかありません」
「……そうだね。よし!私も覚悟を決めた!魔打法でもなんでも来いっ!!」
意気込みだけは100点満点の武田さん。現状はその気概がどれ程素晴らしい事でしょうか。
(……私も覚悟が決まりました。どのような結末を迎えようと、それ相応の準備も出来ています。あとはこの試合の勝敗を決めるだけですね)
そして始まった9回表ですが……。
「…………!」
ゴッ……!
「!?」
(来ましたね……)
武田さんから魔球を投げるような気配がない以上、受け入れるしかありません。
カキーン!!
何かが光ったと思えば、あっという間に場外ホームランでした。これが魔打法ですか……。
カキーン!!
カキーン!!
カキーン!!
カキーン!!
その後はホームランが2本、スリーベースとツーベースをそれぞれ1本ずつ打たれ、一気に4点。逆転されました。
「……大丈夫ですか?」
「……うん。突然起きた事には面食らったけど、今はなんだかワクワクしてるよ。こんなに凄い打者がいるんだって!」
「まぁ本来はいないフィクションですが」
現実の選手ではこんな面妖なバッティングはしません。
「と、とにかく!もう打たせるつもりはないよ!」
「やる気があるのはとても良い事です」
その気持ちはきっと本物でしょう。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
後続の打者を3人連続で三振に抑えていますから。遂に最後の攻撃に入ります。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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