最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 命運を賭けた試合編⑦

9回裏。この回は私の打順からですね。

 

「瑞希ファイトーっ!」

 

「が、頑張って瑞希ちゃん!」

 

「なるようにしかなりませんが、行ってきます」

 

私の役目は次に繋ぐ事……。私のパワーでは、あの球速の球をホームランにするのはまず不可能です。それなら……。

 

「ファイトー!おーっ!!」

 

(ネクストサークルで間の抜けた応援をしている武田さんの方が可能性はありそうですね)

 

それに私の目論見が正しければ、武田さんがあの投手を打つでしょう。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

とりあえず追い込まれるまでは見ていきましょうか。コントロールの方は然程良くない投手というのは、これまでの打席で把握済みですからね。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

(コースギリギリ……。制球力が高まっている気がしてなりませんね)

 

1、2球程外してくると踏んでいましたが、こうなれば作戦変更です。

 

「ちょ、ちょっとちょっと!まるで打つ気が見られませんよ!?」

 

「まぁ今日日女子高生に投げる球じゃないし、仕方ないんじゃないの?」

 

「でも打てる人は打ってるでしょ!?」

 

ベンチではゴウさんと番堂さんが言い合いをしていました。確かにゴウさんの言うように打てる人はあの豪速球を打っていますし、私にあの豪速球を前に飛ばすだけの力はありません。ですがそれでも出来る事はあります。

 

「す、凄い言われてるね。瑞希ちゃん……」

 

「まぁ仕方ないよね~。付き合いの長いアタシ達でも瑞希の行動がわからない事もあるし。でも……」

 

「この打席の二宮は確実に繋ぐ事を意識してるね」

 

朱里さんの言うように、私の役目は次の武田さんに繋ぐ事……。その為に出来る事はやっておかねばなりません。

 

「繋ぐ事……?」

 

「どういう事ですか?」

 

「見てればわかるよ」

 

コースはある程度予測出来ますので、そこに合わせてバットを当てるだけですね。

 

 

カンッ!

 

 

『ファール!』

 

なんとか当てる事が出来ましたね。この調子で続けていきましょう。

 

「始まったね~☆」

 

「そうだね。この場においては味方で良かったよ……」

 

「は、始まったって……?」

 

「二宮のカット打ちだよ。今から数球は粘るつもりだね」

 

「す、数球って……。相手は170キロ投げる投手ですよ!?」

 

ベンチが騒がしいですが、私は私で集中していきましょう。そうでなければ、あの豪速球に呑まれますからね。

 

 

カンッ!

 

 

『ファール!』

 

「何が瑞希をそうさせるのかな?」

 

「私の推測だけど、二宮の動体視力がそうさせてるんじゃないかな?あの速球に対しても難なく着いて行ってるし」

 

朱里さんの言う事は7割正解ですね。残りの3割はやはり情報です。情報を出来る限り後続に渡す為に、粘れる時は粘ります。

 

(まぁ朱里さんならその事にも気付いていて、敢えてここでは触れていないのかも知れませんが……)

 

 

カンッ!

 

 

『ファール!』

 

これで5球目。本来なら粘れるだけ粘るつもりではありましたが……。

 

「…………」

 

(相手投手が魔球を投げる事まで考えると、粘り過ぎも良くないですね。それなら……)

 

「…………?」

 

次の武田さんに託しましょう。あとは任せましたよ?

 

(それに先程の静華さんの話と、武田さんのコンディションを考慮すると……)

 

「この辺りで決め打ちですね」

 

 

カンッ!

 

 

打球は二遊間を抜け、無事にヒットとなりました。私が出来る事はこれでおしまいですね。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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