最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 命運を賭けた試合編⑧

「よーし!私も続くよ~!」

 

ノーアウト一塁で、打席には武田さんが入ります。

 

(この試合の……世界の命運は武田さんに掛かっていますよ)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

(うひぃ~!速い!)

 

バットが出ていませんね。初打席とはいえ、バットを振らない事にはどうにもなりません。

 

「タイムお願いします」

 

タイムを掛けて、武田さんを落ち着かせましょうか。

 

「武田さん、流石にバットは振りましょう。当たるものも当たりません」

 

「い、いやー。振ろうとした時にはもう球がミットに収まってたんだよね……。朱里ちゃんや真深ちゃん含めた皆はよく打てたねぇ……?」

 

確かにそれが普通の反応なのでしょう。しかしそうは言っていられません。世界の危機が掛かっていますから。

 

「とにかく振らない事には何も始まりません。相手がどんな球を投げようとも、武田さんがどんなに打てない打者だとしても……」

 

「酷くない?」

 

武田さんの打率は低いですが、時折長打を打つ可能性を秘めています。武田さんはきっとそういう意外性を持った打者なのでしょう。

 

「それでも、バットを振ればきっと何かが起こります。野球とはそういうスポーツなのですから」

 

「う、うん……」

 

ひとまずタイムを終えて、2球目……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

完全に振り遅れていますね。それでも振らないよりは余程マシです。

 

(うーむ。振ってみたのは良いけど、タイミングが全然合わないや……)

 

武田さんは武田さんなりに全力で当てようとしているようですね。そういう部分は好感が持てますよ?

 

 

ズバンッ!

 

 

『ボール!』

 

ここで1球外してきましたか。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ボール!』

 

2球連続であからさまなボール球ですか……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ボール!』

 

これでフルカウント……。まさか武田さんを歩かせるつもりなのでしょうか?

 

(………何か意図的な3球。何かを狙っているのは間違いない。これまでの相手の動きと静華さんから訊いた魔球の話と統合すると……)

 

(よ、よし!こうなったら四球でいずみちゃんに繋ごう……!)

 

武田さんは四球狙いのようですが、今の3球で投手の準備が整ったようにも見えます。

 

「まさか……」

 

「…………!」

 

 

ゴゴゴゴゴ……!

 

 

(この圧は……!これまで感じた事のない、非道さんとも違う不気味な圧……。やはり魔球を投げるつもりなのね……!)

 

「…………!」

 

「ま、魔球でござる!」

 

静華さんの一言と同時に、相手投手は炎を纏った1球が投げられました。

 

(ど、ど、どうしよう!?あんな魔球に手を出すと怪我じゃ済まないよね!?でも二宮さんはバットを振らなきゃ始まらないって言ってたし……)

 

武田さんは想定外の出来事に狼狽えていました。まぁ仕方のない部分はありますが……。

 

(え、ええい!こうなったら自棄だ!)

 

「はいっ!!」

 

刹那、武田さんのバットが光りました。魔打法を放ったのでしょう。

 

 

カッ……!

 

 

「えっ!?」

 

『えっ!?』

 

 

カキーン!!

 

 

この場にいるほとんどの人達が困惑した瞬間でした。打球はそのまま場外へ……。サヨナラツーランホームランですね。私達の勝利です。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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