一均の衝撃から1週間が過ぎたある日。この日も練習に勤しんでたんだけど……。
「…………」
な、なんか背後から視線を感じるんだよね。それで私が視線の方向を見ると……。
「っ!?」
目を逸らされちゃう……。私、何かやっちゃったのかな?
(グラウンドで練習する日はいつも視線を感じるんだよね。大豪月さんか、非道さんか、メアちゃんに相談した方が良いのかなぁ……)
「…………」
また見られてる。うう。やりにくいよ……。
「どうしたの和奈ちゃん?なんか調子悪くない?」
メアちゃんが棒付きの飴を食べながら、こっちに来てくれた。救世主……!
「あ、あのねメアちゃん。なんか私の事を見てる人がいて……」
「和奈ちゃんを……?ああ。黛センパイだね」
「知ってる人?」
「わたしは一応和奈ちゃんよりも前にこの高校にいるからね。そんなに話した事はないけど、和奈ちゃんが入部してからはああして和奈ちゃんに熱い視線を送ってるよ」
えっ?入部当初から!?ぜ、全然気が付かなかったよ……。
「わたしが声を掛けてくるねー!」
「あっ……」
い、行っちゃった……。なんで黛先輩が私を見てる理由を訊けてないんだけど……。
「黛セーンパイ♪」
「ひゃっ!?えっ?く、黒咲さん……?」
「うん。黒咲芽亜だよっ!それで……黛センパイはなんで和奈ちゃんを凝視してたんですかぁ?」
「えっ?えっと……」
な、成程……。まぁ本人から訊いた方が早いもんね。
「あ、あの……。清本さんは私にとって癒し、天使なんです……」
「…………」
「…………」
「…………」
えっ。こ、これはなんてコメントしたら良いのかな?
「……はい?」
「き、清本さんは私にとっては癒しの対象で、常日頃癒されたいって思っているんです……」
「え、ええ……?」
メアちゃんが黛先輩の突然のカミングアウトに困惑してるみたいだけど、私はそれ以上に困惑してるよ……?
「はいは~い。黛ちゃんの密かに抱いてた気持ちは一旦抑えてね~」
「ひ、非道さん。この人って常にこんな感じなの?なんか和奈ちゃんを癒したい云々言ってたけど……」
「まぁ黛ちゃんにとっては一目惚れに近いものなのかもね~。でも程々にしないと、清本ちゃんに嫌われるよ~?」
「えっ……?そ、それは嫌です。清本さんに嫌われたら、リスカして死にます……」
「うわぁ……」
メアちゃんが黛先輩に引いてるみたいなんだけど、感情の行き所がない私はどうすれば良いのかな……?
「まぁこんな黛ちゃんだけど、悪い子じゃないからね~。じゃあ後輩2人(黒咲ちゃんは既に面識があるけど)に自己紹介しとこっか~」
あっ。自己紹介なんだね……。
「え、えっと。ま、黛千尋です。よ、よろしくお願いします……」
「は、はい。清本和奈です……」
さっきまでの黛先輩とは打って変わってビクビクしてる。私も怖いのに……。
「黛ちゃんは所謂ミニコンってやつだけど、特に清本ちゃんを気に入ったみたいだね~」
「き、清本さんは私にとって癒しで、天使のような存在なんです……」
「黛ちゃんに天使が舞い降りたんだね~」
そ、そんな一言で片付けちゃって良いのかな……。
「まぁ清本ちゃんとは付き合いもそれなりに長くなるだろうし、私共々よろしくね~」
こうして私を癒しだとか言ってた黛先輩と出逢った。思えば私をずっと見てたのは黛先輩だったんだね……。
「清本ちゃんを怖がらせた黛ちゃんをとりあえず大豪月さんに報告しておくね~」
「は、はい……」
普段の黛先輩とはちょっと親近感が湧くから、仲良くしたいんだけどね……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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