6回裏のこの回は6番からで……。
ズバンッ!
『ボール!フォアボール!!』
これまではほとんど考えなしに振っていた打線が急に見送りを多用し始めた。必死なんだ。ランナーを溜めるのに、全部大豪月さんと非道さんの為に……。
ズバンッ!
『ボール!フォアボール!!』
これで二者連続で四球……。チャンスの場面だ。
「行け非道!まずは同点だ!」
「了解で~す」
8番打者に代打として打席に立つ非道さん。ふわっとした雰囲気なのに、全く隙が感じられない……。打者として1番参考になるんだよね。
ズバンッ!
『ストライク!』
(成程ね~)
真ん中低めのストレートを余裕持って見送っている非道さん。他の打者……私だって打ちに行くコースを堂々と見送ると、投手としては逆に不安を感じるんだよね……。
「あの投手は中々良い球を投げていたようだが、既に非道の術中だ……。直に決めるだろう」
「で、でも不思議ですよね。ほぼ真ん中のコースを堂々と見送るなんて……」
私は気になっていた事を大豪月さんに尋ねる。ど真ん中を見送るという点もそうだけど、普通ならど真ん中を見送ってきて安心するところを却って不安にさせているんだから……。
「非道はああする事で、投手の不安を煽っているのだ。威圧感を出し、敢えて見逃す事により、次の打者に集中が出来なくなる……。これこそが非道のスタイルだ」
カキーン!!
「……尤もこの試合では必要のない事だがな!」
低めに行ったボールを掬い上げるようなアッパースイングが完璧なタイミングで捉え、その打球は場外へと飛んで行った。
「す、凄い……」
「さて……。では私が引導を渡してやろう。黛、交代だ!」
「は、はい……」
黛さんは6イニングを投げて、被安打17の13失点。ほぼ打たせて取っていたし、初回の6つのエラーが割と大きいようにも見える。2回以降で見ると被安打6の4失点だから、そこまで悪くないようにも見えるよね……。
カキーン!!
……って話をしてる間に、大豪月さんによる勝ち越しホームラン。非道さんよりもミートはないけど、その分当てれば確実って感じが強いよね。
「無事に勝ち越せたし、あとはこの私が抑えてやる!」
「その前に取れる点は取っておきましょ~」
『おおっ!!』
2人のホームランを皮切りに、洛山の打線は止まらない。
カンッ!
1、2、3番が続けてヒットを打ち、追加で1点を取って、尚一塁・二塁のチャンス。
カキーン!!
次は私がホームラン。今度はスリーランだね。これで5点差だよ!
「ふっ。流石だな清本!」
「あ、ありがとうございます!」
この調子で大竹の葉を落とせるように頑張らなきゃ……!
そして7回表……。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
下位打線を大豪月さんの剛球によって三者三振。私との1打席勝負とは球威が全然違うや……。
(まだ……大豪月さんには届いていないな……)
いつかは絶対に打つからね!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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