それからも私達は人権侵害直前の練習を繰り返し、最終日にもなると私達は一皮剥けた……と思いたい。
「脱落者はそれなりにいるが、よくぞ4日間耐え切った!これから帰るまでの数時間は各々の自由にするが良い!」
『はいっ!!』
社長の発言が終わるやいなや、ほぼ全員が休む事を選んだみたい。まぁあの練習は例え慣れていようとも、キツい事には変わりないからね。でも私は……。
「和奈ちゃん?」
(私はやらなきゃ……!あと少しなんだ。朱里ちゃんや瑞希ちゃんに並び立てるようになる為にも頑張らなきゃ……!)
「……黒咲ちゃ~ん」
「……わかってますよ。和奈ちゃーん!」
さっきまで非道さんと話していたメアちゃんが私のところに駆け寄ってきた。
「わたしも和奈ちゃんの練習、見ても良い?」
「う、うん……」
なんだか毒気抜かれちゃった……。メアちゃんは暗に焦るなって言ってくれてたんだね。
ブンッ!ブンッ!ブンッ!
私は帰る時間ギリギリまで大竹を振り続けた。そして……。
「お、終わった……」
「お疲れ様。和奈ちゃん」
空は夕焼けに染まっており、洛山へと帰る船が停船していた。ほ、本当にギリギリだったんだ……。
「和奈ちゃん、行こ?」
「うん!」
皆がいるところに戻ると、もう乗船を始めていた。私達も早く乗らなきゃ!
「……ご苦労だった」
「フン!私達洛山高校に掛かれば、造作もない事よ!」
「何人かは確実に化けましたしね~」
乗船前に大豪月さんと非道さんが社長と話しているのを見掛けた。どんな話をしてるんだろう……。
「それは何よりだ。それと洛山に1人、選手を送り込む。喜べ、1軍の選手だぞ!」
「そうか……。洛山に送り込むという事は高校生なのだろう?」
「年齢的には高校1年生だったか……。だが1軍でも主力を張れるレベルなのは間違いない。どう使うかは貴様達に任せる!」
「まぁ少なくとも夏は出せなさそうですね~。黒咲ちゃんと同じ枠に納めておきましょ~」
「それが良かろう」
……なんか凄い話を聞いちゃったよ。
「…………」
「メアちゃん?どうしたの?」
「……なんでもないよ」
(黒獅子重工の1軍でわたし達と同い年……って事は、『あの子達』の誰かなんだろうな。その中で洛山に送り込んでも違和感を感じさせないのはきっと……)
なんかメアちゃんが難しい顔をしてる。新しく来る選手を気にしてるのかな?私もその人と仲良くなれたら良いな……。
数時間の移動の末、ようやく洛山高校前に辿り着いた。船の移動時間ってどうも長く感じてしまうよね。寝てたらあっという間だったけど……。
「あれ……?校門前に誰かいる……?」
1人の言葉に校門前に注目してみると、女の子が校門前で逆立ちしてた。
「おっ?やっと来たみたいだねー。待ちわびちゃったよ!」
この逆立ちしてる子が社長の言ってた選手……なのかな?
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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