最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 清本和奈の洛山生活35

洛山の試合から2日後。今日は新越谷の試合の日だ。

 

「今日も行くんだ?」

 

「うん……。新越谷の試合は見ておきたいからね」

 

「……よっぽど警戒してるんだね。新越谷高校野球部を」

 

「そうだね。はまった時の実力は全国クラスかも……」

 

何より朱里ちゃんがいるんだから、そのチームの全国出場は約束されたようなもの……。朱里ちゃんはきっと新しい球種を引っ提げているだろうから、それが見られるかも知れない試合は是非とも抑えておきたい。

 

「まぁとりあえず行ってらっしゃい」

 

「ありがとう。行ってきます」

 

メアちゃんと挨拶を交わして、新越谷へと歩を進めた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで大宮神宮球場に辿り着いた訳だけど……。

 

「うひゃー。お客さんがいっぱいだね~」

 

「い、1回戦とは天と地の差があるね……」

 

「その観客の9割以上は今日の新越谷の対戦相手……梁幽館高校を観に来ています」

 

梁幽館は友理さんとはづきちゃんが通ってる高校……。チームも埼玉4強常連だし、一昨年の県優勝校だ。朱里ちゃんがいるとはいえ、戦力の差は歴然……。この試合でも先発投手は朱里ちゃんじゃないみたいだし、このまま負けたりしないよね……?

 

「やー、しっかし新越谷も2戦目からキツい相手と当たるよね~。先輩達も梁幽館相手にはかなり苦戦したって聞いたし……」

 

「私も聞いた事があるかも……。苦戦って事はなかったけど、中々粘りのある相手だったって言ってた」

 

洛山は私が入る前に梁幽館と試合した事があるみたいだけど、その試合は最終的に大豪月さんが投げて勝ったんだって。

 

『プレイボール!!』

 

先攻は新越谷。打順も上位打線を弄ったみたいだけど、梁幽館を相手にどこまで通用するのかな……?

 

 

カンッ!

 

 

「おっ?初球から打っていったね?センター前ヒット!」

 

「新越谷は影森戦とオーダーが変わってるね。上位打線が弄られてる……」

 

「今打った山崎さんは梁幽館の先発投手の吉川さんとガールズで同じチームだったらしく、球筋はある程度把握している様子が伺えます」

 

でもガールズチームと高校野球は見える景色が180度違うって話だし、その吉川さんのデータもあんまり宛にしない方が良いのかも知れないね。

 

「だから1番打ってるんだね~。狙い球絞るのも上手かったし、好球必打も心得てるっぽいし、1番向けの打者ではあるね」

 

「それに元々1番を打ってた中村さんを4番に置いてるね」

 

「どうやら新越谷は中村さんへの信頼がかなり厚いみたいですね」

 

確かに中村さんは新越谷一のアベレージヒッターって感じだし、安打率も高いみたいだけど、なんか力負けしそうな印象があるんだよね。

 

その後展開は進んでツーアウト一塁・三塁。中村さんは凡退しちゃったみたい……。

 

「ツーアウト一塁・三塁……。ここで先制点取れないと、相当キツい試合になりそうだね~」

 

「スライダー打ちも上手かったんだけどね……」

 

「梁幽館の守備が単純にそれを上回りましたね」

 

瑞希ちゃんが調べたデータによると、春大会に出てた二遊間がこの夏はベンチ外らしい。競争率が激しいとはいえ、春に活躍した選手がスタンドで応援なんてなんだか悲しいよ。それが3年生なら尚更……。

 

 

カンッ!

 

 

今打ったのは5番の岡田さん。綺麗に捌いたね。

 

「練習試合した時も思ったけど、新越谷の中ではあの岡田さんと中村さんの打撃能力がずば抜けてるね」

 

「そうですね」

 

岡田さんの一打で先制点を取った新越谷。更に打席には……。

 

「朱里の打席だ!」

 

朱里ちゃん。元チームメイトで、シニアでは朱里ちゃん以上の投手はいないって言われてたくらいの絶対的エース。しかも打力もかなりのものなんだよね。 

 

「6番を打ってるんだね。シニア時代では7番を打ってた事が多かったから、ちょっと意外かも……」

 

「朱里さんの打撃能力は今の新越谷の中ではかなり高い部類に入ります。クリーンアップには入るタイプではありませんが、決して油断は出来ません」

 

 

カンッ!

 

 

朱里ちゃんは初球打ち。ファーストの頭を越える打球なんだけど……。

 

 

バシッ!

 

 

『アウト!チェンジ!!』

 

 

「うわっ……!あのライト守備上手っ!」

 

「先程のセカンドの方もハイレベルなプレーを見せていましたね。梁幽館は春よりも守備がレベルアップしています。それにセカンドの彼女は春の試合には出ていませんでしたから、相当練習したでしょう」

 

並々ならぬ練習を積み重ねて、今があるんだろうね。そういう考えを聞いちゃうと、なんだか相手も応援したくなっちゃうよ……。

 

「でも1点は先制出来たね」

 

「今日の先発は武田さんですか……。いずみさん、以前に武田さんと対戦した時彼女はどういうピッチングをしていましたか?」

 

「そうだね~。ヨミはアタシから2つ三振を取ったからね。その時よりもレベルは上がっているだろうから、上手く投げればそう簡単には打たれないと思うよ」

 

い、いずみちゃんから2三振!?いずみちゃんって空振りもさんも少なかったよね……?

 

「いずみちゃんってシニアでもあんまり三振しなかったよね。そんないずみちゃんを2回も三振させる武田さんって実は凄い投手なんだね!」

 

「おっ、和奈もヨミとやりたいの?」

 

「うん。やってみたい……!」

 

そんな凄い投手なら、1度は対戦してみたい。でもその為には……。

 

「……その為にまず新越谷にはこの試合に勝ってもらわないといけませんね」

 

「そうだね~。どうなる事やら……」

 

試合をするだけなら、仮に新越谷が負けても練習試合がある。でもそれだとモチベーションが全然違うし、やっぱり新越谷には勝ってほしいよ。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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